『どうする家康』で“語り”務める寺島しのぶ、春日局役で出演決定! 鈴木杏も2度目の大河参戦へ
関連 :
■鈴木杏(初役)
――出演依頼を受けた時の心境をお聞かせ下さい。
本当にびっくりしました。まさか自分に白羽の矢が立つと思っていなかったので……。しかも初は、物語の本当に最後の最後、クライマックスの大事なところを担う役。急に超重要な役目を負わされる緊張感は、本物の初さんとリンクしているんじゃないかな、と思いました。
――演じる人物の印象はいかがですか。
ちょっと引いたところから物事を見て、全体像でとらえているような、冷静さと客観性がある方だと思っています。一方で、とても大きな、慈愛のようなものも持っている印象があって。初は豊臣方の使者として大坂の陣の和睦交渉を任されますが、徳川が勝とうと、豊臣が勝とうと、どちらにしても初は板挟みではあるんですよね。どう転んでも大切な誰かを失うし、誰かが傷つく……そんな中で、それでも平和や、平和に続く道を見つめているのかなと感じています。
――演じる上で、気を付けた点は?
初は、姉の茶々や妹の江とはまた違った人生の歩み方をしていて、争いの渦中にいるわけではありません。だからこそ和睦の場に駆り出されたのでしょうし、その立場だからこその「どっしり感」や、「静」の強さみたいなものが表現できたらなと思いました。
それに、最終的に今回の初は、祈る人だと思うんです。家康はもちろん、茶々も秀頼も、千姫も江も、それぞれ見ている未来は違います。でも、たとえどの道を進んでも、そこには平和があってほしいと祈る。その姿勢を、初を演じるうえで大事にしたいと思いました。
――大河への出演は『花燃ゆ』以来8年ぶりです。久々の大河の現場はいかがでしたか。
すごくチームワークが出来上がっていて、安心できる現場です。その安定感は、やっぱり、主演の松本潤さんの力によるところが大きいんだろうなと思いながら、現場の空気を感じていました。
――松本潤さんとの共演は、ドラマ『金田一少年の事件簿』(2001)、舞台『白夜の女騎士(ワルキューレ)」(2006)以来、3度目となります。
思えば、最初に会ったとき私は14歳で、松本さんが17、18歳だったんですよね。共通の友人がいるので、たまにプライベートでも会う機会もありますが、だんだん再会するとホッとする人になってきました(笑)。
今回の共演では、本当に頼もしさしかないです。かっこいいな、すごいな、と。どんどん器が大きくなられている気がします。パフォーマーとしてだけでなく、現場を引っ張っていくチームリーダーとしての力もあり、全体を見ている方だなと、改めて感じました。
――視聴者へメッセージを。
緊張感ある展開が続くので、ご覧になっている皆さんもかなりドキドキされているんじゃないかと思うのですが、それぞれがどういう決断をして、どういう終わり方をしていくのか、その1つ1つが見どころになっていますので、皆さんのカッコいい姿を、ぜひご覧いただけると幸いです。
■寺島しのぶ(福/春日局役)
――語りを務めてこられた中、出演依頼を受けた時の心境をお聞かせ下さい。
冗談交じりに、「いつかご出演も」と言われたことはありましたが、まさか実現するとは思っていなかったので、やはり驚きました。「語り」が福、のちの春日局だった、というのも、実は最近になって知ったんです。SNSなどで視聴者の方が「(語りは)春日局じゃないか」と予想しているのは目にしていて、「え、そうなの?」と思ったこともあったんですけど、当たっていたとは……。
家康を神の君として崇め奉っていたり、豊臣に対して憎らしいような言い方を望まれたりしていたので、きっと語りは徳川サイドの人間なんだろうなとは思っていたんですけど。もっと早めに教えてもらいたかったですね(笑)。
――語りのときと、福として演じられるときとで、意識的に変えた部分はありますか?
語りのときは、私情が入ったナレーションだけでなく、戦における戦況の説明なども多かったので、講談調、語り部調で、どちらかといえば力強く発声していたんです。でも、福として話すとき、そのトーンでいくと芝居が舞台っぽくなってしまうかなと悩みまして、監督と相談しました。
最終的には「福はそれでいいんじゃないか」と言っていただいたので、不自然にならない程度に、語りのトーンに寄ってお芝居をしました。ただやっぱり、それまで語りしかやっていませんでしたから、ポンと生身でセットに入ってお芝居するのは、なかなか難しかったです。うまくつながっているといいんですけれど。
――福を演じる上で気を付けた点は。
今回の福は、「自分たちが徳川を守っていかねばならない」という信念を持っている人です。それができるのは、家康の孫である竹千代。竹千代の乳母である自分こそが、この子をしっかり教育しなければと、強く思っているのかなと。ですから、竹千代に大御所さま(家康)のすばらしさを託そうとするんだけれども、幼いころの家康がそうだったように、竹千代も「戦なんて関係ない」というタイプで、いかんせん血は争えない……という(笑)。
そういう必死さや不安とともに、それでも今の大御所様のように、きっとこの子もいつか立派な人間になっていくだろうという希望も込められたらいいなと思って演じました。短いシーンでいろんな表現をするのは難しいんですけど、楽しんでやらせていただきました。
――現場では松本潤さんとお話されましたか。
「撮影が終わったら飲みましょう」と言われました(笑)。語りは、撮影がクランクアップしたあとも仕事が続くので、それが終わったら、と。松本くんはこれまでずっと頭として頑張ってきて、きっと大変だったと思うんです。語りの立場だと、なかなか撮影スタジオには行かないので、私はあまり現場を見ていないんですよね。だから、お互い落ち着いたところで、ゆっくり話をしたいなと思います。
放送はもちろん拝見しています。今はメークや編集の技術が優れていて、家康が年を重ねるに従ってシミが増えていったり、だんだん肌がくすんでいったりするのはすごいんですけど、見た目だけで今の表現ができているわけではないと思うんですよね。1年半近くお芝居を積み重ねてきたからこそ、本当は若くても「老け」を堂々と演じられるし、映像として違和感なく成立する。そこが、長い期間撮影されてきた強みだなと、映像を見ていて思います。
――視聴者へメッセージを。
撮影で松本くんと会ったとき、すごく充実した顔をしていて、大河に出る意義を改めて感じました。でも実は視聴者の皆さんも同じように、1年間、ドラマと並走してこられたんですよね。それは大河ドラマならではの体験だと思いますので、ぜひ、最後まで一緒に走りきっていただけるとうれしいです!