映画『彼方の閃光』主演・眞栄田郷敦×監督・半野喜弘の対談映像到着 眞栄田が出演理由明かす

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眞栄田郷敦の映画初主演作『彼方の閃光』より、眞栄田と半野喜弘監督の“スペシャル対談”動画が到着した。
【動画】主演・眞栄田郷敦と半野喜弘監督が作品に対する素直な想いを互いに語り合う対談動画
本作は、幼い頃に視力を失い、手術は成功するも、その視界に色彩を感じることが出来ないでいた主人公・光が、戦後日本を代表する写真家・東松照明(とうまつ・しょうめい)の写真に惹(ひ)かれ、長崎・沖縄の戦争の記憶をたどることになるロードムービー。ホウ・シャオシェンやジャ・ジャンクーら名匠たちの作品の映画音楽を手掛け、『アグリー』『雨にゆれる女』『パラダイス・ネクスト』と監督作品を発表してきた半野喜弘の最新作だ。
生まれて間もなく視力を失った10歳の少年・光(ヒカリ)。光にとって世界は「音」であり、彼はカセットテープに自分の世界を録音してゆく。光の眼は手術をすれば視力を得られる可能性があった。母の説得により、手術を受けることを決意するが…。
その後、20歳になった光(眞栄田郷敦)は、東松照明(1930‐2012)の写真に強く導かれるように長崎へ。旅先で出会った自称革命家の男・友部(池内博之)にドキュメンタリー映画製作に誘われ、長崎・沖縄の戦争の痕跡をたどることになる。その中で、心に傷を負いつつもたくましく生きる女・詠美(Awich)、沖縄を愛し家族を愛する男・糸洲(尚玄)と出会う。
戦争の痛ましい記憶と彼ら3人の生き様は、光の人生を大きく揺さぶり始める。灼熱の日々の中、光の眼に映るものとは何か。そして、51年後の2070年、71歳になった光(加藤雅也)。彼の生きる世界は大きく変容していた…。
本作は、昨年開催された第35回東京国際映画祭の「Nippon Cinema Now」部門に出品され、大きな反響を呼び、劇場公開が決定。そしていよいよ、明日12月8日に封切られる。そんななか、今作の主演を務めた眞栄田郷敦と半野喜弘監督の“スペシャル対談”動画が到着。
“スペシャル対談”動画は、眞栄田と半野監督の強固な信頼関係をうかがわせる、素直な想いを語り合う内容。撮影の裏話やほかの出演者などについて語った後、半野監督から「どうしてこの映画(のオファー)を受けたの?」と聞かれると、眞栄田は「役者をやっていたら、みんなやりたい役」と断言し、「脚本を読んだとき、言葉にならない感情が大きかったですね。光のキャラクターも理解できる部分もあったし。ぜひやりたいなと思いました」と述懐。
その後、監督から「(光は)東松照明の写真集と出会ったことをきっかけに、長崎の被爆者の話とか、沖縄戦の話、あと現代の沖縄に触れていく。撮影を通して、自分の中でそういうものに対する、認識の変化や、捉え方に影響はあった?」と聞かれると、眞栄田は「今まで話で何度となく聞いてきたし、物心つく頃から、そういう戦争の話は聞いてきたんですけど。やっぱりこう…どこか遠い場所にあると感じていた」と振り返る。
続けて「でも実際、撮影していて、すごく身近に感じた。実際に行ってみると、本当にダメなんだな、考えられないな、っていうことを本当に感じて。でも、そのダメなんだと思う気持ちを持つことだけでもいい。日本人ってやっぱり、戦争の話だったり想いを受け継いできて、ダメなんだという想いを持っていると思うんですよ」と力説。
そんな眞栄田に対し、半野監督も「そのダメだな、っていうことが、この映画の役者の演技やストーリーを通して、観た人の心に触れる、伝わるといいなと思う」とうなずく。そして眞栄田は「自分より下の世代に伝えていかないといけないんだな、というのを頭では分かっていたけど、今回初めて心で感じましたね」と真摯(しんし)に語る。そして「ぜひ映画館で観て欲しい。光と共に過ごしているみたいな、歩んでいるような感じになる」と言葉に力を込めた。
また今回、12月8日の初日より、公開劇場限定で豪華パンフレットが発売されることも決定。ページ数は128。中には作品世界を表現したある“仕掛け”が施されており、同パンフレットでしか読むことが出来ない、映画では描かれていないエピソードを追加した小説版「彼方の閃光」も収録されている。
映画『彼方の閃光』は、12月8日より全国順次公開。