「蘇民祭」1000年超の歴史に幕 住職が決断理由を語る「なんとしても続けていきたいわけでは」
プロフィギュアスケーターの安藤美姫がMCを務める『ABEMA Prime』(ABEMA)が6日に放送。この日の放送では、岩手・奥州市の黒石寺で1000年以上も続く「蘇民祭」が、その歴史に幕を下ろすことに注目した。
【写真】「蘇民祭」取り止めを決断した黒石寺・藤波大吾住職
蘇民祭は、真冬にふんどし姿の男性たちが麻袋を争奪することから“日本三大奇祭”のひとつとされている。
番組MCを務めるプロスケーターの安藤は「日本はお祭り文化が根強い国。それを尊重した上で、今の時代に合った形で残せる方法を見つけたい」とした上で、「5年に1度や、記念の年だけ復活させてみては? 蘇民祭の伝統が途絶えることもないし、無理なく続けていくことができると思った」と提案。
これを受け、取りやめる決断をした黒石寺の藤波大吾住職は「背景には、地域の高齢化による担い手不足がある。そして、私としては、なんとしてもこの祭りを続けていきたいわけではない」と告白。その理由について「蘇民祭は、信仰の祭り。旧正月に寺や仏さまを信じる人たちが集まって、新年の誓いを立てたり、お祈りをする機会となる。担い手がいない中で大勢の人を呼んで、お祭りの形にする必要は必ずしもないと考えた」と話した。
住職の話を聞いた安藤は「お寺側の思いを聞けて良かった」とした上で、「“はだか祭り”という形を楽しみにしている人もいると思うので、例えば自治体が請け負って“イベント化”してみては?」と提案。藤波住職は「蘇民祭をイベントとして残すのは良いと思う。地域からも『蘇民祭を続けたい』という言葉をいただいている」と話していた。
『ABEMA Prime』はABEMAにて毎週月曜から金曜21時放送。