片岡千之助「やり切ったよ」北香那・望海風斗らと『橋ものがたり「約束」』完成披露上映会に出席
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藤沢周平原作オリジナル時代劇『橋ものがたり「約束」』の完成披露上映会が、1月18日に丸の内ピカデリーにて開催された。上映前に実施された舞台挨拶では、主人公の幸助を演じた片岡千之助をはじめ、幸助と5年後の再会を約束する幼馴染・お蝶役の北香那、幸助と秘密の関係を持つおきぬ役の望海風斗、幼少期の幸助・お蝶を演じた小谷興会・今濱夕輝乃、そして杉田成道監督が登壇。松竹京都撮影所や山口県岩国市の名勝・錦帯橋での撮影を振り返り、それぞれが本作に込めた想いを熱く語った。
【写真】北香那・望海風斗も作品への思い語る!
主人公の幸助を演じた千之助は「杉田監督のパワーが伝わってくる作品です。圧倒的な存在感の北さんや、憧れのスター・望海さんと共演できたことも嬉しく、幼い幸助・お蝶のシーンも素晴らしかったです」と、作品が完成した喜びをあふれさせた。
また、「杉田監督に『自然なお芝居をしてほしい』と言っていただいたことを念頭に置きながら挑戦させていただきました。撮影前には、祖父(片岡仁左衛門)から電話で『映像というものは、カメラの前に立つだけで芝居やからな』とアドバイスをもらいました」と振り返りつつ、「まだまだ未熟ですが、『やり切ったよ』と言いたいです。捉え方はそれぞれあると思いますが、美しい物語です。多くの方にご覧いただけたらと思います」と自信を覗かせた。
お蝶役の北は「杉田監督の演出に“ぞっこん”でした。毎シーン、ハッとさせられるご提案があって、撮影が休みの日が寂しいくらい(笑)、夢中になってお蝶を演じました」と杉田監督の演出を絶賛。「ロケで行った錦帯橋(山口県岩国市)へは大きな愛着があります。同じ場所のはずなのに、風の吹き方や水の音の変化で世界が変わるような橋でした」とロケ地への思いを語りつつ、「子役の2人も可愛くて可愛くて、2人がしっかり物語の助走を作ってくれたので、私たちがうまく乗っかることができました」と子役の演技を讃えた。
おきぬ役の望海は「初めて映像作品に出演させていただきました。舞台とは違う、時代劇のリアルなセットに入ると、タイムスリップした世界に踏み込んでいくような感覚になりました」と映画初出演の感想を語り、「杉田監督に丁寧に演出していただき、孤独感や寂しさを内面に抱えたおきぬという人物が、作品の中に自然に存在できるようにと演じました。三味線とともに都都逸を歌うシーンは、おきぬの心情や優しさ、寂しさが表れていると思います」と自身の演技について解説した。
杉田監督は「『世の中で一番美しいものは、人を思いやる人の心です』。藤沢周平先生がそんなことを言っているような気がして、いつもそのことだけを思って撮影しておりました。この作品を観た人の中に、懐かしさが残ればと思っております。何とか作品を生み落としはしたのですが、育ててくださるのは観客の皆さんです。皆さんの中に、心に残った何かがあれば幸いです」と作品に込めた想いを語った。
さらに、小谷は「杉田監督から演技指導を受けたことは“宝”になった」と述べ、千之助について「お兄ちゃんのような存在」と明かした。今濱は「北さんのような美しい方の幼少期を演じられて嬉しい」と語り、北が笑顔で今濱を抱き寄せる一幕も。微笑ましいやりとりに、会場はあたたかな笑いに包まれた。
『橋ものがたり「約束」』は、時代劇専門チャンネルにて2月3日19時TV初放送。1月26日より新宿ピカデリー/MOVIX 京都にて期間限定特別上映。