濱口竜介監督最新作『悪は存在しない』予告解禁 ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞受賞の話題作
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第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員大賞)を受賞した濱口竜介監督の最新作『悪は存在しない』より、予告映像が解禁された。
【動画】いまだ多くのヴェールに包まれた本作より映像初解禁! 映画『悪は存在しない』予告映像
第80回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞したことで、カンヌ映画祭、ベルリン映画祭のいわゆる3大映画祭のグランドスラムを果たし、アカデミー賞を入れると黒澤明以来の快挙を成し遂げた濱口竜介。
3年弱の短期間での活躍に世界で最も注目される監督の一人となった濱口監督の『ドライブ・マイ・カー』以降の長編映画最新作品である本作は、現在、世界中の映画祭、映画館で上映され、世界の映画業界を席巻し続けている。
長野県、水挽町(みずびきちょう)。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは、水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。
しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や町の水源を汚しかねないずさんな計画に町内は動揺し、その余波は巧たちの生活にも及んでいく。
海外からは「濱口監督から観客に対する見事な挑戦。ほとんどの映画が『答え』ばかりに終始する一方で、『問い』を投げかける映画監督が少なくともひとり、ここにいる」(THE PLAYLIST)、「この年、もっとも静かに心を揺さぶる映画」(Vague Visages)との映評も届いている本作。
きっかけは、石橋英子(企画・音楽)から濱口への映像制作のオファーだった。『ドライブ・マイ・カー』で意気投合した2人は試行錯誤のやりとりを重ね、濱口は「従来の制作手法でまずはひとつの映画を完成させ、そこから依頼されたライブパフォーマンス用映像を生み出す」ことを決断。
そうして石橋のライブ用サイレント映像『GIFT』と共に誕生したのが、長編映画『悪は存在しない』である。自由に、まるでセッションのように作られた本作。濱口が「初めての経験だった」と語る映画と音楽の旅は、やがて本人たちの想像をも超えた景色へとたどり着いた。
主演に、当初はスタッフとして参加していた大美賀均を抜てき。新人ながら鮮烈な印象を残す西川玲、物語のキーパーソンとして重要な役割を果たす人物に小坂竜士と渋谷采郁らが脇を固める。穏やかな世界から息をのむクライマックスまでの没入感。途方もない余韻に包まれ、観る者誰もが無関係でいられなくなるような作品が誕生した。
本作より予告映像が解禁。初解禁となった映像では、ごく緩やかに発展してきた長野県・水挽町(みずびきちょう)で自然に囲まれ慎ましく暮らす巧とその娘・花の穏やかな生活、そしてそこに舞い込むグランピング場建設計画の模様が描かれている。濱口監督とは『ハッピーアワー』以来のタッグとなる北川喜雄が捉える自然描写も注目だ。
映画『悪は存在しない』は、4月26日より全国公開。