イタリア海軍全面協力! 実話を基にした海の男たちの誇りと絆の戦争秘話『潜水艦コマンダンテ』予告解禁
第80回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に選出された、イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニにまつわる戦争秘話を映画化した『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』(7月5日公開)より、予告編、ポスター、場面カットが解禁された。
【動画】艦長の海の男としての確固たる信念と誇り、そして苦渋の決断がもたらす重厚な人間ドラマに胸を打つ 映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』予告編
本作は、第二次大戦下、イタリア海軍の潜水艦コマンダンテ・カッペリーニが沈めた敵国船の乗組員を救助したという実話を基に、戦時下においても決して失われることのない海の男たちの誇りと絆(シーマンシップ)を描く重厚な戦争ドラマ。CGでは再現できない本物の質感とクルーたちの過酷な勤務描写が潜水艦映画の傑作『U・ボート』を想起させ、「潜水艦映画」に目の肥えた観客たちをも唸らせる作品に仕上がった。
監督は本作で2度目のヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門に選出されたエドアルド・デ・アンジェリス。主演のサルヴァトーレ・トーダロ艦長を演じるのは、数々のイタリア映画の巨匠たちに重宝される名優ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ。
1940年10月、イタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、イギリス軍への物資供給を断つために地中海からジブラルタル海峡を抜けて大西洋に向かっていた。その作戦行動中、船籍不明の貨物船に遭遇する。艦砲を装備し、戦争地帯で灯火管制をしての航行であったためこれを撃沈。だがそれは中立国であるはずのベルギー船籍の自衛武装を備えた貨物船カバロ号だった。
“イタリア海軍一無謀な少佐”サルヴァトーレ・トーダロ艦長はその乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの安全な港まで運んでいく決断を下す。しかしその決断は、自らと部下たち、さらには艦を危険にさらすのを覚悟のうえで、無防備状態のままイギリス軍の支配海域を航行することに他ならなかった―。
予告映像は、「恐れを愛せ」と部下たちに檄を飛ばすサルヴァトーレ・トーダロ艦長の姿から始まる。敵側の武器を運んでいたため、やむなく貨物船を撃沈するも「我々は敵を容赦なく沈める。だが人間は助けよう」とその乗組員たちを救助し、彼らを最寄りの安全な港まで運んでいくという軍規に反した決断を下す艦長。その決断を戦時中に下すことの意味や、それがもたらす危険を分かった上でもなお、海の男として揺るぎない信念を貫く姿が描かれる。
艦内に入りきらず艦上にいる敵の乗組員を守る為、海中に潜ることをあきらめて空から戦闘機に襲われるなど、その決断によって多くの船員の命が危険にさらされていく。それでも“イタリア海軍一無謀な少佐”と言われ、敵からも見方からも英雄視され名を刻んだサルヴァトーレ・トーダロ艦長が命と同等に重きを置いた誇りと絆に胸が打たれる、重厚な映像となっている。
ポスターは、サルヴァトーレ・トーダロ艦長の強い信念が宿る眼差しが印象的なビジュアル。その周囲には、敬礼をする敵船の艦長、荒れ狂う海の中を進むイタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニなどが配置されている。本作の製作にあたりイタリア海軍の全面協力を得て実物大で再現された、潜水艦コマンダンテ・カッペリーニにも注目だ。
イタリア海軍潜水艦コマンダンテ・カッペリーニは、1939年に就役し第二次大戦に参戦、戦局によってイタリア、ドイツ、日本と渡り歩き数奇な運命を辿った潜水艦である。1943年のイタリア降伏後、日本軍によって拿捕され「アキラ3号」と仮称され、その後ドイツ軍に引き渡され「UIT24」と名を改め、さらにドイツ降伏後には日本軍に接収され「伊号第五百三潜水艦」として特殊警備潜水艦となり、1945年の日本軍降伏後に連合国に接収され、紀伊水道で海没処分された。
ドイツ軍下にあってもドイツの傀儡であるサロ政権側についたイタリア海軍兵が乗艦し、日本軍下でも日本側についたイタリア人水兵が乗艦していた。戦後もイタリア人水兵は日本に残り、遺族は現在も日本で暮らしている。なお、本艦をモチーフにしたスペシャルテレビドラマが二宮和也主演で制作され、『潜水艦カッペリーニ号の冒険』(フジテレビ系)として2022年正月に放映されて話題を呼んだ。
映画『潜水艦コマンダンテ 誇り高き決断』は、7月5日より全国公開。