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『ヴェノム』が“なぜか”愛される理由を分析! カギは“かわいい”とデカすぎギャップ

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映画『ヴェノム』場面カット
映画『ヴェノム』場面カット

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 映画『ヴェノム』シリーズ最終章となる『ヴェノム:ザ・ラストダンス』が、10月25~27日先行上映、11月1日より全国公開される。“最も残虐な悪”とされながら、なぜかヴェノムが日本で愛されるワケとは?

【写真】エディ大好きなヴェノム 2ショットから“かわいい”があふれる

 ジャーナリストのエディ・ブロックに地球外生命体シンオビートが寄生し誕生したヴェノム。強靱で真っ黒な肉体と鋭い牙、長く伸びる真っ赤な舌で人を食らう“最も残虐な悪”であり、マーベルコミックではスパイダーマン宿敵となるダークヒーローだ。

 2018年に公開されたシリーズ1作目『ヴェノム』では、そのグロテスクな風貌が強烈なインパクトを与えた一方、1つの身体に2つの人格、エディとヴェノムの奇妙な共存関係のユニークさと、狂暴でありながら愛くるしい一面を見せる特異なキャラクターで、全世界で8億5000万ドル(約1344億円)を超える大ヒットに。2021年に公開された続編『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』では、大殺りくを招く最凶ヴィランのカーネイジとの激しい死闘の中で、エディとヴェノムは一心同体となり共闘、深い信頼関係で結ばれた最強最高のバディとして世界の危機を救った。

 記念すべき1作目を手掛けたルーベン・フライシャー監督が「短気で豪胆で邪悪だ」と明言したほどのスーパーヴィランが、キャラクター大国である日本で、なぜこれほどまでに愛されるのか。その魅力に迫る。

ヴェノムはその見た目が示すように、ヒーローと対をなす、観る者を恐怖の底へ突き落すヴィランとして描かれた。無慈悲であり、ルール無用、ずけずけとモノを言う、人間を喰らう地球外生命体。しかし、ヴェノムは正義感溢れるジャーナリストのエディ・ブロック(トム・ハーディ)に寄生したことにより、その邪悪な見た目とは裏腹に、エディとの共同生活で愛らしいキャラクターを爆発させる。1作目の公開時に製作のアヴィ・アラッドが「エディはヴェノムの善良な部分に影響を与えるんだ。ヴェノムはいわばエディの良心のような存在になる。善人と悪人が互いに影響を及ぼし合いながら、他の人間たちを救ってくれるんだ」と明かしているように、“俺様”な性分でありながら、チョコレートとエディが大好きな、「2人が一緒なら最高のバディになる」という、全編を通してダークヒーローが魅せるギャップで観る者の心を鷲掴みにした。

 2021年、コロナ禍で最大のオープニング記録である9010万ドルを達成し、全米初登場No.1を果たした2作目『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が日本公開を迎えるころには、「ヴェノムはかわいい」と多くの日本人によってささやき交わされ始めており、日本の萌え文化にシンビオートも見事にフィット。日本でのヴェノム人気は、その鋭い歯をむき出しにし、鋭い目と気味悪く伸びる長い舌というビジュアルの中に見出された“かわいい”に後押しされており、エディとヴェノムのコミカルなやり取り、エディより上手な恋への進言、そしてエディに見せるヴェノムの献身さが、ヴェノムと日本人のDNAに刻まれる“かわいい”を求める心に火をつけている。

 2作目で監督を務めたアンディ・サーキスは「この映画はラブストーリーなんだ。普通に考えるようなラブストーリーではないけれどね」と語ったように、人間と地球外生命体との関係性は物語の中で思いもよらない形で更新され続けてきたが、最終作『ヴェノム:ザ・ラストダンス』でヴェノムが直面するのはシリーズ最大の脅威との壮絶な戦いだ。日本中を虜にしてきたヴェノムの、本作で初めて明かされる<隠された秘密>とは─?

 映画『ヴェノム:ザ・ラストダンス』は、10月25~27日先行上映、11月1日より全国公開。

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