松坂桃李、2027年大河ドラマ『逆賊の幕臣』で主演 勝海舟のライバル・小栗上野介忠順に

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松坂桃李が、2027年の大河ドラマ『逆賊の幕臣』(NHK総合ほか)で主演を務めることが発表された。幕臣の小栗上野介忠順(おぐりこうずけのすけただあき)を演じる。松坂は大河ドラマ出演3作目にして、今作が初主演となる。
【写真】脚本は『きのう何食べた?』『おかえりモネ』などの安達奈緒子が担当
大河ドラマ第66作となる本作は、幕末を舞台に、忘れられた歴史の“敗者”=幕臣の知られざる活躍を描くエンターテインメント。幕府を倒した側ではなく、幕臣の側から幕末史を描く。
“時代遅れな江戸幕府が明治維新で倒れ、日本はようやく近代を迎えた”という歴史観は、もはや過去のもの。近年の研究では、日本の近代は既に幕末から始まっていたことが明らかになっている。司馬遼太郎が勝海舟と並べて「明治の父」と呼んだ人物、それが小栗忠順だ。
幕末の日本は、現代と本当によく似ていた。グローバル経済に巻き込まれ、関税率の交渉に悩まされ、物価高と格差が人々の生活を直撃。またフェイクも含めた情報が拡散されて誰もが世相を批評するようになり、社会の分断が深刻化した。さらに災害やテロの脅威があり、大国のパワーゲームによる戦争の危機がすぐそこに…。あすどうなるか分からない不確実な時代だった。そんな中、小栗は国の独立と社会の安定を守ろうと、近代化政策を推し進めた。
このドラマは、小栗が国内外の諸勢力と繰り広げる外交・情報戦にスポットを当てる。次々と起こる幕末の事件の裏で起きていた、信頼と裏切りが交錯するスリリングで熱いドラマ。そこでは、人間対人間の真心と腹芸、そして情報が、一寸先の運命を左右する。それはライバルの勝にとっても同じだった。
小栗忠順は、文政10(1827)年、江戸・神田駿河台生まれ。2500石の名門旗本で、天才的なエリート官僚。隅田川の花見でも花や酒には目もくれず治水について語り続け、周囲をあきれさせるようなオタク気質。
万延元(1860)年、遣米使節として渡米し西洋文明を体感。帰国後要職を歴任して軍制改革や近代的工場(造船・製鉄所)の建設、日本初の株式会社設立などさまざまな改革を推進する。特に、武士でありながら経済に明るい小栗は幕府にとって得難い人材で、何度も勘定奉行を務めた。空気を読まず上司に直言しては辞職し、辞めては呼び戻されること70回という伝説も。
明治の政治家・大隈重信は、明治政府の近代化政策のほとんどは小栗の模倣だったと語ったという。江戸幕府終末期の勘定奉行として、その名は徳川埋蔵金伝説にも登場する。2027年は小栗生誕200年となる。
脚本は安達奈緒子が担当。安達は「小栗は持っている人です。身分、能力、機会に恵まれた変わり者の天才となれば鼻につく人物かもしれません。実際、無血開城の立役者、勝海舟は小栗を疎んじました。しかし小栗は官吏であり、いわゆるリーダーではありません。公の人です。そして小栗は持っている人だからこそ《個》として自由に生きることを自分には許さなかった。つねに公がなすべきことを考え、変容せざるをえない国を少しでも良くしようと邁進する。その高潔さと頑固さは清々しいほどで、混乱の世にあって希望たりえる人だったと思います」とコメントした。
大河ドラマ『逆賊の幕臣』は、NHK総合ほかにて2027年1月より放送予定。
※安達奈緒子ほかコメント全文は以下の通り