仏名優ジェラール・ドパルデューに性暴力で有罪判決 執行猶予付き18ヵ月の禁錮刑

『シラノ・ド・ベルジュラック』(1990)や『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』(2012)で知られるフランスの名優ジェラール・ドパルデューに、性的暴行の罪で、禁錮1年6ヵ月(執行猶予付き)の有罪判決が言い渡された。
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ドパルデューは、2021年8月から9月にかけて南フランスで行われた、ジャン・ベッケル監督の映画『The Green Shutters(英題)』の撮影中、セットデコレーターとして働いていた女性と、ベッケル監督のアシスタントの女性に対し、性的暴行をはたらいたとして2024年4月に逮捕され、2件の容疑で訴追されていた。Varietyによると、4日間にわたる裁判で、ドパルデューは容疑を全て否定。検察は、執行猶予付き18ヵ月の禁錮を求刑し、罰金と心理療法を受けること、そして性犯罪者リスト登録を求めていたようだ。
『シラノ・ド・ベルジュラック』(1990)でアカデミー賞候補となり、フランス映画界の最高峰セザール賞を受賞するなどフランスを代表する名優として知られるドパルデューだが、2020年にも、シャルロット・アルヌールにレイプ及び性的暴行を加えたとして訴追されているほか、十数人の女性から性的暴行やセクシャルハラスメント、痴漢行為で告発されている。
2023年12月には、仏公共放送局が彼に対する歴代の性的暴行疑惑を詳細に追ったドキュメンタリーを放送。彼に対する批判が強まったことを受け、フランス映画界を代表するセレブが公開書簡を発表し、“私刑(リンチ)にさらされ”ている彼を擁護する動きもあった。今回の裁判でも、女優で映画監督であるファニー・アルダンが彼を擁護し、先月ポルトガルで撮影が始まった彼女の監督作『Elle regardait sans plus rien voir(原題)』へ、出演オファーしたそうだ。