ベルギーの司法を揺るがした実話に基づくクライム・スリラー『マルドロール/腐敗』予告&新写真解禁

映画『変態村』『地獄愛』のベルギーの鬼才ファブリス・ドゥ・ヴェルツ監督による映画『マルドロール/腐敗』より、予告編と新場面写真が解禁された。
【動画】実際に起きた衝撃的事件を基に映画化『マルドロール/腐敗』予告編
本作は、ベルギーで実際に起きた少女拉致監禁・殺人事件を基にした深淵クライム・スリラー。『変態村』『地獄愛』『依存魔』の“ベルギーの闇3部作”で知られるファブリス・ドゥ・ヴェルツが監督を務める。
舞台は1995年のベルギー。少女失踪事件の犯人を追うことになった憲兵隊員ポールが、腐敗した警察組織の闇に直面し、真実を求めるあまり心身に異常をきたしていく様を緊迫感溢れるトーンで描く。ヴェルツ監督は本作のテーマについて、「悪の本質と正義の探求を試みた。社会のトラウマに光を当て、悪に立ち向かう私たちの能力についてアプローチしたかった」と語っている。
本作は第81回ヴェネツィア国際映画祭の公式セレクションに選出され、第57回シッチェス・カタロニア国際映画祭では最優秀長編作品賞にノミネート。「緊迫感の高まり、一線を越えた道徳的ジレンマ、すべての観客を魅了する魅力的なスリラーとなっている」「ざらざらとした雰囲気が70年代のスリラー映画を彷彿とさせる」「じめじめとした心地よさと、叫び声のような哀愁」などと、ヴェルツ監督の持ち味である深淵な世界観と巧みな心理描写が高い評価を受けている。
ポール役には、『La priere』(2018)で第68回ベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞したフランス若手実力派俳優アントニー・バジョン。脇を固めるのは、『変態村』『地獄愛』で主演を務めたローラン・リュカ、そして『ベティ・ブルー』『屋敷女』などで知られるベアトリス・ダル。
今回解禁となる予告編は、ベルギーを震撼させた連続少女拉致監禁事件から幕を開ける。事件解決に燃える若き憲兵隊員ポール。私生活では恋人との輝かしい未来がありながらも、事件を追うための「マルドロール作戦」の部隊に任命され、やがて想像を超えた広く深い闇に呑まれていく。増えていく被害者、容疑者、そして何かを隠蔽している警察組織。荒ぶるポールの姿とともに映し出される「正義を求めるほど、悪が暴走する──」という言葉が意味する葛藤とは一体何なのか。これまで『変態村』をはじめとした作品で、ベルギーを舞台に人間の持つ狂気を描いてきたヴェルツ監督が、新たにベルギーの暗部に迫る映像を描き出した。
あわせて解禁となった新場面写真8点には、ポールのほか、失踪した少女たちの新聞記事、ポールの母親を演じるベアトリス・ダル、報道陣にマイクを向けられる上官役のローラン・リュカらの姿が収められており、物々しい雰囲気が漂っている。
映画『マルドロール/腐敗』は、11月28日より全国順次公開。