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『再会長江』竹内亮監督最新作『名無しの子』劇場公開決定&予告解禁 中国残留孤児100人の三世代物語

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映画『名無しの子』ポスタービジュアル
映画『名無しの子』ポスタービジュアル(C)『中国ドキュメンタリー映画祭In Japan』組織委員会/ワノユメ

 『再会長江』の竹内亮監督最新作で、100人以上の中国残留孤児とその家族を2年にわたって取材したドキュメンタリー映画『名無しの子』が、11月21日より公開されることが決定。予告編映像が解禁された。

【動画】中国在住日本人監督によるドキュメンタリー『名無しの子』予告編

 本作は、2024年にミニシアターでの公開ながらも大ヒットしたドキュメンタリー映画『再会長江』を手掛けた竹内亮監督が、日中合作チームとともに魂を込めて描く、心の国境を越えるドキュメンタリー。竹内監督は、2021年Newsweekの「世界が尊敬する日本人 100」に選出され、2023年にはWeiboのインフルエンサーアワードで4つの賞を受賞、SNSフォロワー数は1000万人を越える多大な影響力を持つ人物だ。

 最新作『名無しの子』では、日中共同取材チームが100人以上の残留孤児とその家族を、2年にわたって徹底取材。1990年代に帰国するも、日本社会に馴染めず自殺未遂に追い込まれた一世。差別の中で自らの居場所をつくるため、準暴力団「チャイニーズドラゴン」を結成した二世。日中ハーフである自分のルーツを隠し、友人にさえ真実を語れない三世。戦後80年が経った今もなお「私は誰なのか」を探る中国残留孤児たちの、アイデンティティの物語だ。

 1945年、第二次世界大戦末期の中国・旧満州。当時そこには、日本の国策によって移住した約150万人の日本人庶民が暮らしていた。しかし終戦直前、日本軍は彼らを見捨てて撤退。戦火の中、数多くの女性や高齢者が命を落とし、数千人の幼い子供たちが親と離れ離れに。彼らは国籍を失い、孤児となり、“名無しの子”となった―。あれから80年、答えのない問いを胸に秘めて生きてきた彼らは言う。「私たちの戦争は、まだ終わっていない」。

 先日には、竹内亮監督が率いるワノユメ配給にて、『2025 中国ドキュメンタリー映画祭 In Japan』(11月7~20日)が開催されることを発表。この度同映画祭での上映が決まっている本作の劇場公開日が11月21日に決定し、予告編映像が解禁された。

 映像は、中国・黒竜江省で残留孤児男性が「お父さん、お母さん、ただいま。貴方たちは3歳の時に命を救ってくれました」と、今は亡き中国の育ての親を想い涙を流す姿から始まる。

 モノクロのフィルムで映し出される、第二次大戦末期に中国・旧満州で捨てられた日本人の子どもたち。1945年8月26日に日本の大本営は「これからも(旧満州に)住もうとする者は日本国籍を離れるも支障なき者とす」という文書を発表していた。

 あれから80年、残留孤児100人の今にカメラは密着。「あの時、残留日本人の多くが餓死した」「餓死、凍死、病死。これが私達の運命」「中国では『日本人』と辱められ、日本では『中国人』と辱められる人生」「彼らが憎い」と訴える高齢者たち。

 一方、そんな悲劇の運命に、暴力で抗った男たちも。「日本人を見たら、敵と見なす。全員をにらみ、にらみ返した人をやっつける」と語る男性。伝説のチャイニーズマフィア「怒羅権(ドラゴン)」に所属した男性の知られざる過去、衝撃の現在とは――。

 残留孤児支援者の女性は「やっぱりこんな人(残留孤児)がいる限り、戦争は終わってないと思います、私は」ときっぱり語る。終盤には、日中の狭間でアイデンティティに揺れる人々の姿が。「一度でいいから正々堂々と『私は中国人』『私は日本人』と言ってみたい」と痛切に語り涙をあふれさせる女性。「いまだに私は誰だか分からない」と訴える高齢女性たち。最後は広大な雪景色の中、ひとりで歩く人物のカットにタイトルが重なって幕を閉じる。

 映画『名無しの子』は、11月21日より池袋シネマ・ロサほかにて全国順次公開。

ドキュメンタリー映画『名無しの子』予告編

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