蒼井優「10年に1本あるかどうか――そんな作品に出会えた」 あす最終回『Tシャツが乾くまで』
――ここまでの撮影で、「大変だった」と感じるシーンはありましたか?
第1話の最後で、園田さんに「あなたの夫、僕の妻と不倫してましたよ」と言われたコインランドリーでのシーンは、撮影が始まったばかりの頃に撮ったので大変でした。まだ役が回転し始める前ですし、咲子と園田さんも知り合ったばかり。役同士でノッキングを起こしているのか、俳優同士がノッキングを起こしているのか、そこの線引きが難しいタイミングでもあったので、あのシーンはみんなで意見を出し合って、一緒に乗り切った感じがあります。
何より監督が土井(裕泰)さんでよかったです。土井さんはセリフを整理してくださるのが本当にお上手で。「ここはこうしましょう」「咲子は今、こういう気持ちです」みたいな感じで、状況や役の心情を丁寧に分かりやすく説明してくださるんです。私たちが何かを思う前に監督はそのシーンについて考えていらっしゃるので、監督の中での答えが常にある。キャラクターにも寄り添ってくださいますし、冷静に判断してくださるので、いつも助けていただきました。すごく信頼しています。
■松山ケンイチの想像を超えた芝居にびっくり!
――心に残っている印象的なシーンを教えてください。
たくさんありますが、第10話(最終話)で松山さんがテストではやっていなかったお芝居をされたときがあって。カットがかかった後、松山さん自身も「びっくりした!」とおっしゃっていましたけど、私もびっくりしました。何かをやろうとしていたわけではなく、充にかっちり入った状態で咲子と向き合って、自然とそうなったみたいで。そのシーンに限らずですが、想像していなかったお芝居を見られたときはすごくうれしいですね。一緒にやっていて楽しい人たちばかりだったので、「あのシーンのあの人の目の動き、こうだったな」など、いろいろなことが今も心に残っています。
――撮影を通して、意外な一面が見えた共演者はどなたですか?
皆さん素晴らしい方ですが、特に感動したのは、高橋(文哉)さんの現場に対する誠実さ。高橋さんって、スタジオのセットから出ないんです。いつ呼ばれてもすぐに自分の立ち位置に行けるところで待機されていて。しかもそれをさらっとできるのがすごいなと。私があの年齢のときには絶対にできていなかったし、できたとしても褒められたくて“やっている感”を出していたと思います(笑)。人としての出来が違うなと思いました。
