異才の画家・小松崎茂グラフィック展開催!幻の国防科学雑誌「機械化」の実物披露

少年誌の絵物語や表紙、プラモの箱絵で、SF空想メカや戦車、軍艦を描き、戦後のこども文化史において様々な分野で活躍した異才の画家、小松崎茂の展示会「小松崎茂 幻の超兵器図解 復刻グラフィック展」が、東京銀座にあるチーパズギャラリーにて開催されることが決定した。
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小松崎茂とは、少年誌の表紙やプラモの箱絵のほか『サンダーバード』や『ウルトラセブン』などを描きボックスアートの世界を確立した異才の画家。東宝映画『地球防衛軍』(57)『海底軍艦』(63)では超兵器のメカデザインも担当し、石ノ森章太郎、ちばてつや、川崎のぼる、松本零士、藤子不二雄などにも大きな影響を与えたという。
この小松崎が、戦前に図解画家としてデビューしたのが国防科学雑誌「機械化」。戦雲迫る昭和12年、少年向けに軍事と科学技術を啓蒙する雑誌として創刊され、昭和15年頃から小松崎画伯らの創作力をもって図解を多く取り入れるようになったとのこと。だが、終戦前には発行が停止、進駐軍による戦犯追及を恐れた関係者は「機械化」の画稿類をすべて焼却処分。昭和20年春まで刊行された60余冊の既刊在庫もことごとく廃棄された。現在、当時の少年読者により密かに保管された僅かばかりの蔵書だけが後世にその存在を伝えている。
今回、開催される展示会では、その貴重な雑誌「機械化」の実物や、拡大誌面の復刻、超兵器メカ切り抜きパノラマのジオラマ、現役クリエーターのトリビュートアート(上田信、開田裕治、小林源文)などを展示。
これまでに刊行された作品集や画集でも「機械化」の扱いは小さく、小松崎画伯自身も多くを語ろうとしなかったことから、小松崎画伯の図解の原点、20歳代の仕事を再確認する展示会となる。
「小松崎茂 幻の超兵器図解 復刻グラフィック展」は、6月23日から6月28日までMYS銀座3階チーパズギャラリーにて開催。