S・ジョーンズ＆ファン・ドンヒョク “ふしぎな彼女”を創造した2人の監督へ迫る
映画
関連 :
AI（人工知能）の女性との恋愛を描いた『her／世界でひとつの彼女』、一方70歳のお婆ちゃんが突然20歳に逆戻りする『怪しい彼女』。片や“AI”、片や“70歳の女の子”が登場する2本の共通点はどちらも“ふしぎな彼女”が物語の鍵を握っているところ。
【関連】『怪しい彼女』シム・ウンギョン来日！堀ちえみが「若返りたくない」過去を暴露
『TV Bros．』7／2発売号（東京ニュース通信社刊）では、“ふしぎな彼女”を創造したそれぞれの監督、スパイク・ジョーンズ（『her／世界でひとつの彼女』）、ファン・ドンヒョク（『怪しい彼女』）のインタビューが掲載されている。
まず、今年のオスカーシーンを賑わせたウワサの“彼女”が『her／世界でひとつの彼女』のOS、サマンサ。彼女はOSでありながら、自分の持ち主である男性と相思相愛な仲になってしまうのだ。そんなふしぎな女子を創造したのは、スパイク・ジョーンズ、その人。
AIとの恋愛も近い将来ありうる？と聞いてみると…。「僕は、セオドア（ホアキン・フェニックス）とサマンサ（スカーレット・ヨハンソンが声）の恋愛を、リレーションシップを描く上でのメタファーとして登場させた。ふたりの恋愛を入り口として、他者とどんな関係をもつのか、関係を保つためにはどうすればいいのか、どういうつながりを求めてしまうのか、一度失ってしまった絆の大切さはどうやって気づくのか……あらゆるリレーションシップについて、彼らの愛を通して考察してみたんだ」とコメント。
ちなみに、本作でオスカー脚本賞を獲得したスパイク。この受賞は監督生活にどんな意味をもたらしたのだろうか。「あの授賞式の夜、僕が一番嬉しかったのは、親友のカレン・Oが“TheMoon Song”を舞台の上で演奏したことだよ。そこにはこの映画を一緒に作ってくれた友人がみんな集まってくれててさ。彼らは僕の人生に意味のある人たちであり、彼らもまた僕の存在を同じように感じてくれている。そういう仲間たちと一緒に受賞できたって感じがして、とてもハッピーだった。オスカー像はクローゼットのなかにしまってるよ。そういうプライズのことは普通、あんまり考えないほうがいいからさ！」
一方、ファン・ドンヒョク監督の『怪しい彼女』は、70歳のおばあちゃんが、ひょんなことから20歳に逆戻り。若い頃、叶えられなかった歌手への夢を実現させていく爆笑爽快人生リプレイ物語。
20歳の容姿に、70歳の心という難しい役どころを演じたのは『サニー 永遠の仲間たち』で人気を博した、シム・ウンギョン。一度口を開けば罵詈雑言、なまり丸出し。だけど、一度観たら愛さずにはいられないキャラクターの魅力を引き出した。
「心や思考は老人のままで、外見だけが若い。これがこの映画の大事な部分で、若い子が単に老人のまねをしているようにみえてはいけないわけで、彼女には撮影前からおばあさんの言動を日常生活のなかでやってもらいました。私と会話する時にも劇中の全羅道の方言で話し、私もおじいさんっぽい対話をしました。こうした体に染みついている状態で撮影に入ってもらったんです」とコメント。
韓国では大ヒットし、『アナと雪の女王』を抜く、860万人以上を動員した。本作の魅力はどこにあるのだろう？「どの世代がみても自分の話だと思える物語、観客が登場人物のだれかに自分をあてはめられて、共感できるものになっているところではないでしょうか。今の時代、映画も若年層向け、熟年向けと世代で分かれてしまっていますよね。だから、せめてこの映画は、どの世代も共感できて、話題を共有できる作品であってほしいと思ったんです」
『TV Bros．』7／2発売号ではほかに「創刊27周年だよ！お祭り騒ぎスペシャル」として、きゃりーぱみゅぱみゅ、Perfume、松井玲奈、掟ポルシェのほか、山内マリコ×ジェーン・スー、岩井秀人×川村元気、岡村靖幸×アレハンドロ・ホドロフスキー対談など連載陣SPをおくる。また、恒例の新ドラマ特集は、ありえ～る・ろどんが占う！夏の新ドラマ。
この記事の写真を見る
関連情報
関連記事
-
Yahoo!検索で詳しく調べる
-
