“女相撲”描く青春映画『菊とギロチン』公開決定 東出昌大ら出演

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瀬々敬久監督が構想に30年を擁し、“女相撲”を題材にした青春群像劇『菊とギロチン』の公開が決定。それに先駆け、劇中の主要場面を収めた先行カットが到着した。
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本作は、瀬々監督が8年ぶりに放つ自身企画のオリジナル映画。30年前も前から構想が温められ、「今こそ撮らねばならない」という強い意志で製作がスタート。その想いに賛同した多くの会社や個人によるカンパで資金を調達し、完成するに至ったという。
大正末期、関東大震災直後の日本。混沌とした社会情勢の不寛容化する時代を舞台に、かつて実際に興行されていた「女相撲」の一座とアナキスト・グループ「ギロチン社」の青年たちが出会う。女であるだけで困難な人生を送ることが多かった当時において、さまざまな過去を背負いながらも強くなりたい一心で戦い続ける力士たち。かたや、頼りないながらも弱い者も生きられる世の中にしたいと大志を抱くギロチン社の若者たち。立場は違えど「自由な世界に生きること」を願う彼らの出会いが運命を加速させていく。
ヒロインである新人力士・花菊役には、野尻克己監督の『鈴木家の嘘』でヒロインを演じた木竜麻生。実在した詩人で「ギロチン社」のリーダー・中濱鐵(なかはま・てつ)は東出昌大が演じる。
また、同社の中心メンバーで純粋な夢に殉じる古田大次郎を俳優・佐藤浩市の息子である寛一郎が、中濱と心を通わせる女力士・十勝川を『誰も知らない』『ピストルオペラ』の韓英恵が演じる。他にも、渋川清彦、山中崇、井浦新、大西信満、嘉門洋子、大西礼芳、山田真歩、嶋田久作、菅田俊、宇野祥平、嶺豪一、篠原篤、川瀬陽太らが出演。ナレーションは永瀬正敏が務める。
完成した作品について瀬々は「何かを変えたいと映画を志した若い頃、自分はこういう映画を作りたかったのだと初めて思えた」と手応えを見せる。東出は「関東大震災後の混沌とした時代を生きる滅茶苦茶な人々の姿が、衣食住足りた現代に生きる我々の閉塞感をぶち破ります。変な映画です。ですが、この変な映画を心から愛しく思います」と同作への深い愛着を示した。
映画『菊とギロチン』は7月より全国公開。