カンヌ途中退出者続出の問題作『ハウス・ジャック・ビルト』日本版予告解禁

関連 :
鬼才ラース・フォン・トリアー監督の最新作『ハウス・ジャック・ビルト』より、日本オリジナル版予告と場面写真が解禁。予告は、俳優のマット・ディロン演じる主人公が、あるきっかけから殺人に没頭していく姿を、トリアー監督ならではの映像美で映し出した刺激的な内容となっている。
【写真】『ハウス・ジャック・ビルト』場面写真
1970年代の米ワシントン州を舞台に、あるきっかけからアートを創作するかのように殺人に没頭するようになったシリアルキラー、ジャックの12年間の軌跡を、5つのエピソードを通じて描く本作。主人公ジャックをマット・ディロン、謎の男ヴァージを今年2月に死去した名優ブルーノ・ガンツ、第一の被害者を女優のユマ・サーマンが務める。
カンヌ国際映画祭では途中退出者が続出したにもかかわらず、上映終了後はスタンディング・オベーションが鳴りやまないという賛否両論を巻き起こした本作。米国では、あまりの過激さにアメリカ映画協会(MPAA)が手を加えた修正版のみ正式上映が許されたが、昨年11月28日にノーカット版を1日限定140館で上映したところ、全米興収ランキングでデイリー11位を記録した。日本では無修正完全ノーカット版がR18指定で公開される。
予告映像は、ジャックが建築家になる夢を胸に、理想の家作りに励む姿からスタート。ある日、山道を運転する中で出会った女性に「あなた殺人鬼かも。私にはそう見える」と挑発的な態度をとられ、ジャックは野生の虎のような狂気に目覚めて、その場にあったジャッキで女性に襲いかかる。
その出来事をきっかけに、究極のサイコパスと化したジャック。デヴィッド・ボウイの楽曲「FAME」の軽快なリズムにのせて、子どもに銃口を向けたり、拘束されて涙を流す女性に「生きているうちに思いっきり叫ぶべきだ」と平然と告げたりする姿などが、ヒトラーをはじめとする数々の不穏な映像が挟み込まれながら映し出されていく。最後は「立派な家はできたか?」と問われ、血が付いた顔でほほ笑むジャックに続き、骨組みだけが完成した家の映像で幕を閉じる。
場面写真は、ジャックが怪しい目つきでこちらをのぞき込む姿や、赤い車を背に「LOVE」と書かれた手書きの文字を手にする姿を捉えたもの。そのほか、ユマ・サーマン演じる第一の被害者、ブルーノ・ガンツ扮する謎の男がそれぞれジャックと一緒にいる姿を写したものとなっている。
映画『ハウス・ジャック・ビルト』は6月14日より全国公開。