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『鹿の王』映画化に原作者も「え?」 Production I.Gが“命運”かけて挑む

アニメ

 緻密な医療サスペンスにして、壮大なる冒険がつづられる上橋菜穂子の小説『鹿の王』が、アニメ映画化されることが決定した。アニメーション制作は、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』などで知られるProduction I.Gが担当する。

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 『鹿の王』は2015年度本屋大賞、第4回日本医療小説大賞など国内外にて作品賞を受賞し、シリーズ累計は190万部を超える人気シリーズ作だ。強大な帝国に飲まれていく故郷を守るため、死を求め戦う戦士団<独角>。その頭であったヴァンは、奴隷に落とされ、岩塩鉱に囚われていた。ある夜、ひと群れの不思議な犬たちが岩塩鉱を襲い、謎の病が発生。その隙に逃げ出したヴァンは幼い少女を拾う。一方、移住民だけが罹ると噂される病が広がる王幡領では、医術師ホッサルが懸命に、その治療法を探していた。感染から生き残った父子と、命を救うため奔走する医師。過酷な運命に立ち向かう人々の“絆”の物語が綴られる。

 新たに発表されたアニメ映画化。アニメーション制作は、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』、『PSYCHO-PASS サイコパス』、『ハイキュー!!』などヒットシリーズを手掛けるProduction I.Gが担当することとなった。

 今回の決定に著者・上橋は「映画化を打診されたとき、まず出た言葉は、『え? それは無理でしょう!』でした。『鹿の王』はかなり複雑な物語ですから、一本の映画で描こうとするには内容が難解過ぎるのでは、と思ったのです」と当時を振り返った。さらに「しかし、Production I.Gさんが制作なさると聞いて安堵しました。I.Gさんなら原作に囚われ過ぎず、アニメとして面白い映画を創ってくださるでしょう。雄大な大自然の中を、飛鹿に跨ったヴァンが駆けていく姿を見られる!今は、とにかく、それが何より楽しみです」とコメントを残している。

 また、Production I.Gの石川光久代表は「『鹿の王』を読んだ時、これは『作ってはいけない』作品であると感じました。実は、今でも思っています」と暴露。続けて「繊細で、奥深く、壮大な世界に宿る“命の物語”を映像で表現するということは、もはや不可能だと感じたからです。しかし『創る』という人間が現れたのです。『鹿の王』をアニメで表現するという想いのもとに集まったスタッフの顔ぶれは、想像を超え、狂気を感じさせました。『命をつなぐ』、これは作品のテーマというだけではなく、I.Gの命運をかけた戦いのテーマでもあるのです」と本作にかける思いを熱弁した。

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