映画史上最も呪われた企画…『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』日本公開決定
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構想30年で9回も頓挫し、映画史上最も呪われた企画といわれる『THE MAN WHO KILLED DON QUIXOTE(原題)』が、邦題を『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』として、2020年1月24日より全国公開されることが決定。ポスタービジュアルが解禁された。
【写真】『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』ロゴビジュアル
本作は、スランプに陥ったCM監督トビーが、10年前に撮影した映画でドン・キホーテ役に抜てきした老人ハビエルと再会したことで、奇怪な旅路に巻き込まれていく物語。
企画頓挫を繰り返すあまり、その過程をドキュメンタリー映画『ロスト・イン・ラ・マンチャ』(2002)として上映するほどにもなった本作。ジョニー・デップやユアン・マクレガーなどそうそうたる俳優たちが決定しては消えた主人公トビー役には、『ブラック・クランズマン』『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のアダム・ドライバーが決定した。自身をドン・キホーテと信じる老人ハビエル役にジョナサン・プライスが扮し、トビーのボスをステラン・スカルスガルド、ボスの妻でトビーを誘惑するジャッキをオルガ・キュリレンコがそれぞれ演じる。
数々の障害を乗り越えて本作を完成に導いたのは、モンティ・パイソンのメンバーとしても知られる鬼才テリー・ギリアムだ。2000年にスペイン・マドリードで撮影が始まるが、撮影現場周辺を軍用戦闘機が飛び交い、あえなく中断。さらに鉄砲水に襲われ撮影機材が流出し、景色も様変わりしてしまう悲劇に見舞われる。なんとか撮影を続けようと試みるが、ドン・キホーテ役のジャン・ロシュフォールが腰痛を訴え、歩くことも不可能になり挫折。その後も資金繰りやキャスティング、権利関係の問題により幾度と企画が頓挫しては、不屈の精神で再び立ち上がり、ついに劇場公開にたどり着いた。
ポスタービジュアルには、一本の映画により人生が大きく変わってしまったハビエルやトビーだけでなく、幾度となく企画が頓挫し、人生が狂わされたギリアム自身も暗示するかのような「映画が、全てを狂わせる」というキャッチコピーが印象的に用いられている。そして、ドン・キホーテが木馬にまたがり、空に剣を掲げる姿が神々しく描かれ、彼の夢想の象徴ともいえる風車と巨人や、巨大な手のひらに立ちすくむトビーの姿など、夢と現実が混在するギリアムらしい世界観が表れたビジュアルとなっている。
映画『テリー・ギリアムのドン・キホーテ』は2020年1月24日より全国公開。