“冷戦期最大の謎のひとつ”に迫る陰謀ドキュメンタリー『誰がハマーショルドを殺したか』予告
冷戦期の謎とされる国連事務総長事故死の真相に迫るドキュメンタリー映画『誰がハマーショルドを殺したか』より、予告編と場面写真が公開された。
【写真】ブリュガー監督(左)&調査員ヨーラン(右)
本作は、第2代国連事務総長ダグ・ハマーショルドの事故死の真相に、デンマーク人ジャーナリストで監督のマッツ・ブリュガーが迫ったドキュメンタリー。1961年に国連チャーター機が墜落し、ハマーショルド事務総長が死亡した事故は、今もなお暗殺説がささやかれ、「冷戦期最大の謎のひとつ」(米ワシントン・ポスト紙)とされる。
ブリュガー監督は、暗殺説がありながらも詳しい調査が行われず、未解決だったハマーショルド事故死の真相を追うヨーラン・ビョークダールの調査に参加する形で撮影を開始。調査の中で暗殺をほのめかす資料の存在が明らかになるも、当時の関係者たちは皆、口をつぐみ、追跡取材が行き詰まりをみせる。そんな時、彼らはハマーショルド暗殺事件にとどまらない、秘密の組織による世界史を覆すような驚くべき“ある絶滅計画”に遭遇する―。
予告編は、1961年9月、チャーター機墜落事故により国連事務総長ダグ・ハマーショルドが事故死したことを伝える、当時のモノクロ映像から始まる。その後、映像は現代に切り替わり、「この事件を突き止めたい」と語る、本作の監督ブリュガーが登場。彼は即座に真相解明へ乗り出すも、あと一歩のところで難航、調査中止の危機に。しかしその時、彼のもとに飛び込んできた1つの情報の影響で、いつしかブリュガー監督は謎の組織“サイマー”の調査に没頭していく…。
予告映像の後半には“サイマー”を調査する上で出てきた「未公開情報」「極秘文書」「傭兵組織」「南アフリカ海洋研究所」「秘密結社」「ウイルス兵器」「アパルトヘイト」「白い服」といった怪しげなワードの数々が画面いっぱいに映し出される。“サイマー”とは何なのか。“サイマー”とハマーショルド事故死の謎の関係は。ドキュメンタリー作品でありながら、思いもよらぬ方向へと話が進むミステリー映画のような予告編となっている。
実際、1本の映画が歴史的な新事実を発表するということは珍しく、本作はワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙でも評価を得るだけでなく、2019年映画祭での上映時には日本でも読売新聞ほか、いくつかの新聞で「新証言により長年のハマーショルド事件の謎が解明した」というニュースが流れた。
ブリュガーはこれまでにも、北朝鮮で撮影した『ザ・レッド・チャペル』(09)で第26回サンダンス映画祭審査員賞を受賞。その後もアフリカの政治汚職に切り込んだ『アンバサダー』(11)と、常に潜入捜査で政治的秘密を暴いてきた。本作も彼の取材ルポをまとめた衝撃の陰謀ドキュメンタリーとなっている。
映画『誰がハマーショルドを殺したか』は7月18日より全国順次公開。