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名女優たちの演技だけじゃない!『アンモナイトの目覚め』をもっと楽しむための<5つの注目ポイント>

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■観客も一緒に体験させる、こだわりのカメラワーク

 本作の撮影監督を務めたのは、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』や『はじまりへの旅』で知られるステファーヌ・フォンテーヌ。彼は撮影に入る前にリー監督と話し合いを繰り返し、“寄り添い”をテーマに映像を作ることを決めたという。物語はすべてメアリーの目を通して描かれており、観客も彼女と共に体験していくようになる。また光が物語のキーポイントにもなっており、暗く無感情なメアリーの世界に、シャーロットが放つ独特の光が差し込み環境が転じていく様子を描写している。

メイキング画像(ケイト・ウィンスレット、ステファーヌ・フォンテーヌ)
(C)2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited

 そして、2人の生きる世界についても映像でわかりやすく説明。メアリーは労働者階級の女性で、窓が少なく、暗くて、居心地の悪い閉ざされた空間に住んでいる。それに対し、シャーロットの住む世界は光に満ちていて、物事から逃れるための空間が十分にあり、彼女の生きる世界では「選択」が許されるということが分かるようになっている。それぞれのキャラクターに寄せて、異なる内的世界と外的世界の対比が見事に表現されているカメラワークにも注目したい。

■“美しいだけじゃない”メアリーの故郷での撮影

 本作の大部分は、メアリー・アニングが一生を過ごしたイギリス南西部の町ライム・レジスで撮影された。実際にメアリーが生きていた環境で撮影することは、キャストとスタッフにとって大きな助けになったという。

 撮影前にライム・レジスを訪れたというリー監督は「ライム・レジスの風景は私の感情を揺さぶり、絶え間なく引いては満ちる海には常に威嚇を感じた。まるで死の感覚だ。メアリーはこの風景の中を歩く。ぬかるんでいて、汚く、寒くて危険なんだ。この風景がいかに人物を形つくるのか考える必要があったから、実際に化石採集もやってみた。四六時中、腰をかがめて地面を見つめる。あたりを見回して“なんと美しい日だ!”とはならない。うつむいてばかりなんだ。この経験を通して、メアリーは顔を上げることのない人物だと私は考えた。地面に埋まるようにしている人物だと」と振り返る。

(C)2020 The British Film Institute, British Broadcasting Corporation & Fossil Films Limited
 田舎育ちで自然の厳しさを知るリー監督は、前作『ゴッズ・オウン・カントリー』と同様に、決して自然を美しく描くだけでは終わらせない。ケイトも冬の海の寒さに震えながら撮影に挑み、化石採集の難しさを文字通り体を張って体現している。

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