浅野いにお原作『うみべの女の子』、思春期の繊細で残酷な「恋」と「性」を描く本予告解禁
女優の石川瑠華と俳優の青木柚がダブル主演を務める映画『うみべの女の子』より、本予告とメインビジュアルが解禁された。
【動画】『うみべの女の子』予告編
浅野いにおの同名漫画(太田出版<f×COMICS>)を実写映画化する本作は、海辺に暮らす少女と少年が織りなす、繊細で残酷な青春譚。緻密で叙情的な画風と繊細な心理描写に定評のある浅野いにお作品の中でも、特に「思春期」「恋」「性」といったセンシティブな題材に真正面から挑んだ作品として、ファンの間でも根強い人気を誇る作品だ。
ダブル主演を務めるのは、原作者の浅野も審査に参加したオーディションで選ばれた石川と青木。共演には、前田旺志郎、中田青渚、倉悠貴ら、これからの映画界を担う次世代の若手俳優陣が顔をそろえている。メガホンを取るのは、長編初監督作である『リュウグウノツカイ』(2014)がゆうばり国際ファンタスティック映画祭で北海道知事賞を受賞し、以降もコンスタントに話題作を発表し続けているウエダアツシ。
海辺の小さな街で暮らす中学生の小梅(石川)は、憧れの三崎先輩(倉)に手ひどく振られたショックから、かつて自分のことを好きだと言ってくれた内向的な同級生・磯辺(青木)と関係を持ってしまう。初めは興味本位だったが、何度も身体を重ねる2人。やがて、磯辺を恋愛対象とは見ていなかったはずの小梅は、徐々に 磯辺への想いを募らせ、一方、小梅に恋焦がれていたはずの磯辺は、その関係を断ち切ろうとしてしまう。2人の気持ちはすれ違ったまま、磯辺は過去にイジメを苦に自殺した兄への贖罪から、ある行動に出ることとなる。
本予告は、静かに波打つ海辺や、ありふれた平穏な学園生活を送る小梅(石川)や磯辺(青木)、その友人らが映し出されるところから始まる。続いて、小梅が三崎先輩(倉)に愛の告白をするも嘲笑され「男なんてみんな死ねばいい」と毒づく姿、磯辺にブラウスのボタンを外される場面、磯辺が兄が自殺したことをネットに書き込む姿、不気味な男が漆黒の海にたたずむ場面などが次々と展開していく。
そして、本作の音楽を担当した「world’s end girlfriend」が奏でるピアノ音と不規則な電子音のノイズが流れる中、思春期にいる彼らの不穏で残酷な現実がさらされていき、最後は小梅と磯辺の感情が高まっていくのと呼応するかのように、海の波しぶきが激しいうねりとなっていく様子が映し出されている。
メインビジュアルは、「何も知らなかった自分にはもう戻れない。」というコピーと共に、透明な眼差しをたたえた小梅と陰りのある面持ちをした磯辺の姿をそれぞれ配置したもの。中央には、そんな脆さと危うさを抱えた二人が、お互いの何かを埋め合わせるかのように、手と手を取り合いながら寝そべっている姿が切り取られている。
映画『うみべの女の子』は8月20日より公開。