『ムーンライト・シャドウ』柊役は佐藤緋美、麗役は臼田あさ美に 本予告も公開
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女優の小松菜奈が主演する映画『ムーンライト・シャドウ』の追加キャストとして、若手俳優・アーティストの佐藤緋美、女優・モデルの臼田あさ美らの出演が発表された。併せて、本予告、メインビジュアルが解禁された。
【動画】『ムーンライト・シャドウ』本予告
作家・吉本ばななが1987年に大学の卒業制作として発表した同名の短編小説を映画化する本作は、ある日突然、愛する人を亡くした主人公さつき(小松)が、死者ともう一度会えるかもしれないという不思議な現象〈月影現象〉を通して、悲しみをどう乗り越えるのかを描く、「さよなら」と「はじまり」のラブストーリー。さつきの恋人で突如帰らぬ人になってしまう等役を宮沢氷魚が演じる。監督はエドモンド・ヨウ。
今回発表された追加キャストは、等の弟・柊役の佐藤緋美、柊の恋人・ゆみこ役の中原ナナ、そして、等を亡くしたさつきの前に現れる不思議な女性・麗(うらら)役の臼田あさ美ら。
柊は、兄の等と自身の恋人ゆみこを同時に亡くし、兄の恋人であったさつきともに深い悲しみに打ちひしがれながらも、少しずつ“生きていく”という日常を取り戻していく難しい役どころ。そんな柊役を佐藤がオーディションで勝ち取った。
柊は亡くなった恋人ゆみこのセーラー服を着て日々を過ごし、何かを感じようとする。佐藤は演じることが決まった際、「まさかこの役をいただけるとは思っていなかったのでびっくりした。柊は僕自身と合致する部分が全くないので、正直すごく難しかったけれど、だからこそ挑戦してみたいと思った」と語っている。印象的なもみあげ・おかっぱの髪型も「素の自分とは違う姿で演じたい 」と自ら監督に提案。監督は佐藤を起用した理由として「オーディションで、独自のリズムとテンポによって出来た別世界に住んでいるような印象で、原作で描かれる柊にとても近いと感じた」と語り、現場では「自由奔放で、刺激的なエネルギーを発していた」と振り返る。
さつきの前に現れる不思議な女性・麗は、どこかミステリアスな存在感を放ちながら、「満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない」という不思議な現象〈月影現象〉へ、さつきと柊を次第に導いていく。演じる臼田自身も「とても不思議なキャラクターで、答えがないと感じた。『監督はこの作品をどんな風に撮るんだろう?』と、予測できない部分に興味が湧いた」と、オファーを受けたときを振り返る。
柊の恋人ゆみこを演じるモデルの中原ナナは、本作でオーディションを勝ち抜き、女優デビューを果たした。このほか、さつきの親友・蛍役に吉倉あおい、さつきや柊と麗を巡り合わせる充役に中野誠也など、原作にはないオリジナルのキャラクターも登場する。
予告映像は「等はいつも、小さな鈴を肌身離さず持ち歩いていた。それは彼のそばを最後まで離れない運命となった─」という、さつき(小松)の含みのあるナレーションとともに始まり、失くした鈴をきっかけに出会い、恋に落ち、付き合いだすさつきと等(宮沢)の幸せいっぱいの姿が映し出される。そして、等から紹介され、初めて会ったときから意気投合した等の弟・柊(佐藤)とその恋人のゆみこ(中原)との、何気ないけれど穏やかで幸せな4人の日々が、安らかでどこか神秘的な音楽とともに美しく収められている。
だが、突然の着信音により状況は一変。「事故があって、二人とも、死んだ─」。柊から電話越しに受けた突然の訃報に、深い悲しみに打ちひしがれ、生きる気力さえも失ってしまったような、痛々しいさつきの姿が画面いっぱいに映し出される。そして小袋成彬によるコラボレーションソング「Parallax」とともに、不思議な女性・麗(臼田) に出会い、「満月の夜の終わり」に「死者と再会できる」 〈月影現象〉という不思議な現象に導かれていくさつきと柊の姿が描かれる。
メインビジュアルには、主人公さつきのせりふ「ひとつのキャラバンが終わり、また次が始まる。」のコピーが添えられている。その言葉からは、原作者・吉本ばななの作品が内包する、現実と妄想のはざまのような独特の世界観が浮かび上がる。
映画『ムーンライト・シャドウ』 は、9月10日より全国公開。