ジョニー・デップ、ハリウッドにボイコットされていると訴える 『ミナマタ』公開決まらず
昨年11月、英大衆紙The Sunを相手取り起こした裁判に敗訴し、『ファンタスティック・ビースト』シリーズからの降板を余儀なくされたたジョニー・デップ。英Sunday Times紙のインタビューにて、「ハリウッドにボイコットされている」と訴え、自身と主演を務めた『MINAMATA―ミナマタ―』が置かれた状況について、心中を明かしたという。
【写真】ジョニー・デップが写真家W・ユージン・スミス氏を体現 『MINAMATA』フォトギャラリー
『MINAMATA―ミナマタ―』は、日本における“四大公害病”のひとつ水俣病を世界に知らしめた写真集『MINAMATA』を基に制作された映画。この写真集を手掛けた写真家ユージン・スミスに長年憧れていたというジョニー自身が、製作・主演を務めた。ジョニーのほか、ビル・ナイ、日本からは真田広之、國村隼、美波、加瀬亮、浅野忠信、岩瀬晶子らが出演する。
イギリスではすでに公開されたものの、アメリカでは公開が決まっておらず、監督のアンドルー・レヴィタスは、ジョニーの裁判問題を理由に、配給会社のMGMが「葬り去ろうとしてる」と訴えていた。
Deadlineによると、イギリスで14日に発行されたSunday Times紙掲載のインタビューの中で、ジョニーは映画『MINAMATA―ミナマタ―』について「僕たちは、(水俣の)人々の目を見て、彼らを搾取するような作品にはしないと誓ったんだ」と思いを語り、「この映画は尊重されるべきだ。僕たちはその約束を守ったと信じているが、後から入ってきた人たちもこの約束を守るべきだ」と訴えたという。
「人々の心に響く映画がある。本作は、水俣に暮らす人や、同じ経験をした人々に影響を与える作品だ。ハリウッドが僕をボイコットしているから(公開しないのか)? 一人の男、一人の俳優が不快で面倒な状況にあるからといって、何年もの積み重ねを(無駄にするのか)?」と、自身の個人的な問題に関わらず、作品は尊重されるべきであると語った。
ジョニーはイギリスでタブロイド紙を相手に起こした裁判のほか、アメリカでも、アンバー個人に対して、名誉棄損で訴えを起こしている。2018年にアンバーが米Washington Post紙に寄稿した意見記事の中で、家庭内暴力(DV)を受けたと書かれており、名前は出ていないもののジョニーから暴力を受けたことが示唆されていると訴えるものだ。この裁判に先立ち、先日ジョニーは、離婚時に支払われた和解金が実際に寄付されたのか開示するよう求めた裁判で勝利している。