『シチリアを征服したクマ王国の物語』イノシシ風船&クマダンスがかわいい本編映像解禁
フランス・イタリア合作アニメーション映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』より、字幕版本編映像が解禁された。ぷかぷか空飛ぶイノシシ風船や歓喜のクマダンスなど、幻想的でかわいらしい世界観が映し出されている。
【動画】クマたちが歓喜のダンス! 『シチリアを征服したクマ王国の物語』本編映像
本作は、クマ王国の王とクマ達が人間の住む地を目指す、面白くも悲しい物語。原作はイタリアの作家ディーノ・ブッツァーティが1945年に発表した児童文学で、日本では『シチリアを征服したクマ王国の物語』(天沢退二郎・増山暁子訳、福音館書店)として知られる。日本語吹き替え版の声優として、柄本佑、伊藤沙莉、リリー・フランキーが出演する。
高くそびえる山で静かに暮らしていたクマたち。ある日クマの王レオンスの息子トニオがハンターに誘拐される。厳しい冬の飢えと寒さにたまりかねていた彼らは、山を降りることにした。残忍な大公や化け猫、人食い鬼、幽霊、魔法使い。行く手を阻む難敵を乗り越え、人間の住む平地を目指すが…。
解禁された本編映像は、クマ軍団が寝込みを襲われ危機に瀕する場面からスタート。人間に捕らえられた息子を探し、仲間たちと街を目指すクマ王レオンスだったが、その道中、悪政をしく大公とたびたび衝突。今度は大公のいとこのモルフェット伯爵が所有する猛烈な数のイノシシ軍団を差し向けてきた。
「逃げないと!」「死んでしまう!」と騒ぐ魔術師だったが、歴戦の屈強なクマ軍団はどこ吹く風。「ただのイノシシだろ」「死ぬならクマとして死のう!」と全面対決の様相。「私はクマじゃない!」とビビりまくる魔術師は、あと2回しか使えない“魔法”をイノシシの群れに対して使う。「スポルコ ポルコ スポルティコ…!」。すると目前に迫っていたどう猛なイノシシがぷかぷか浮かぶ風船になって空に舞い上がる。その様子を見たクマたちは魔術師を仲間と認め、「教授よ 万歳! クマの友達よ 万歳!」と魔術師を胴上げ。歓喜のダンスを踊るのだった。
原作のディーノ・ブッツァーティは“イタリアのカフカ”として幻想的で不条理な世界を得意としていたが、この『シチリアを征服したクマ王国の物語』はイタリアのこども新聞に連載され、挿絵も自身が手がけた。監督のロレンツォ・マトッティはヨーロッパを代表するイラストアーティストだが、ブッツァーティのイラストに大きな影響を受けたと語っている。このシーンは原作本(福音館書店)の挿絵にも描かれている。
また、現在フランスに住むロレンツォ・マトッティ監督から“HAPPY HOLIDAYプレゼント”として、日本公開を記念した描き下ろし新作ドローイングが到着した。クマ王国のレオンス王が王様の冠とマントから衣替えし、サンタクロースを思わせる帽子とマントで「乾杯!」のポーズを取っている。色鉛筆のような優しい彩色とレオンスのユーモアあふれる表情が見どころだ。
マトッティ監督は「日本での公開を心待ちにしていました! 日本の観客はアニメーションカルチャーにも深い見識を持っているので、見ていただけるのをとても楽しみにしています。このコロナ禍でなければ日本に行きたかったんだけどね」とコメントしている。
映画『シチリアを征服したクマ王国の物語』は、2022年1月14日より全国順次公開。