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ケイト・ブランシェット絶賛! アカデミー賞ギリシャ代表『林檎とポラロイド』予告解禁

映画

 第77回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門オープニング作品として選出され、オスカー女優ケイト・ブランシェットが作品に惚れ込みエグゼクティブ・プロデューサーに名乗りを上げた映画『林檎とポラロイド』が、3月11日より公開されることが決定。予告編と場面写真が解禁された。

【動画】記憶をなくす奇病が蔓延する世界――『林檎とポラロイド』予告編

 本作は、リチャード・リンクレイター監督作『6才のボクが、大人になるまで。』や、ヨルゴス・ランティモス監督作『女王陛下のお気に入り』の助監督を務めていたクリストス・ニクの監督デビュー作。記憶をなくす奇病が蔓延した世界で、口数の少ない主人公が心に宿した本当の思いが、治療を通して明らかとなっていくさまを描く。哀愁とユーモアが絶妙なバランスで調合され、近未来的な設定ながらも人肌のような温もりに満ちたコメディドラマに仕上がっている。

 ワールドプレミアとなった第77回ヴェネチア国際映画祭で上映されると、「見事なまでに胸を打つ」(ガーディアン紙)、「魂のこもった今日性のある映画」(ヴァラエティ誌)などと絶賛を浴びたほか、第56回シカゴ映画祭にて脚本賞、2021年ダブリン国際映画祭にて作品賞を受賞。第93回アカデミー賞国際長編映画賞のギリシャ代表にも選出された。

 さらにその評判を耳にした実力派女優ケイト・ブランシェットが、ニク監督の才能に惚れ込みエグゼクティブ・プロデューサーとして参加することを熱望し、新たにクレジットされたという作品の質の高さがうかがえるエピソードも。ニク監督の次回作はケイト・ブランシェットプロデュース、キャリー・マリガン主演で製作されることも決まっており、2作目にして早くもハリウッド・デビューを果たすなど、世界が注目する存在となっている。

 「お名前は?」「覚えていません」。 バスの中で目覚めた男は、記憶を失っていた。覚えているのはリンゴが好きなことだけ。世界は記憶喪失を引き起こす奇病が蔓延し、治療として「新しい自分」と呼ばれる回復プログラムが行われていた。男は、毎日送られてくるカセットテープに吹き込まれた様々なミッションをこなしていく。

 自転車に乗る、仮装パーティーで友達をつくる、ホラー映画を見る。そして、その新たな経験をポラロイドに記録する。さまざまなミッションをこなして行く中で、ある日男は、同じくプログラムに参加する女と出会い仲良くなっていく。しかし、「新しい日常」に慣れてきた頃、男は忘れていたはずの以前住んでいた番地をふと口にする…。

 予告編は、「哀しみの核を持ちながら、同時に心をくすぐられる映画に出会うことは稀です。私は、映画界の新たなる才能に触れ、喜びを感じました」というケイト・ブランシェットが本作に寄せた賛辞からはじまる。そして、いたって真面目にミッションをこなしているものの、どこかおかしさが漂う男の姿が映し出されていく。

 そんな中、男は同じ治療を受ける仲間と出会いお互いのことを話すうち、自分に親族の迎えがなく身寄りのないこと、そしてある忘れられない事実が浮かび上がってくる。果たして冒頭のケイトの言葉にある、本作が持つ“哀しみの核”とは一体何なのか。映像のラストで浮かび上がる「哀しい記憶だけ失うことはできませんか?」というキャッチコピーに秘められた、主人公の心の内にある本当の思いをスクリーンで確かめたい。

 場面写真は、ニク監督のこだわりの詰まった世界観の一端が垣間見えるもの。男が宇宙服であいさつする姿、ストリップで女に迫られ身を引く姿などミッションに取り組む様子のほか、ご近所さんと犬に会う場面や、物思いにふけるような姿なども切り取られている。

 映画『林檎とポラロイド』は、3月11日より全国順次公開。

映画『林檎とポラロイド』予告編

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