サルマ・ハエックのカリスマ性が光る 『選ばなかったみち』“人生に一度の痛み”が伝わる場面写真
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オスカー俳優ハビエル・バルデムと女優エル・ファニングが父娘役として初共演する映画『選ばなかったみち』より、場面写真が解禁。女優サルマ・ハエックが、主人公レオ(ハビエル)の初恋の女性ドロレス役を熱演する姿を収めている。
【写真】サルマ・ハエック、圧倒的カリスマ性で熱演 『選ばなかったみち』場面写真
本作は、『耳に残るは君の歌声』『ジンジャーの朝〜さよなら、わたしが愛した世界』を手掛けた女性監督サリー・ポッターの最新作。弟が若年性認知症と診断され介護をしたポッター監督が、自身の経験をもとに自ら脚本も手掛けて作り上げた。
劇中で描かれるのは、娘モリー(エル)が、ニューヨークのアパートにひとりで暮らす認知症の父レオ(ハビエル)を病院へ連れていくために、彼を訪ねるある朝から始まる24時間。ひとりでは生活もままならない現実を抱えるレオが、幻想として見る自分がかつて選ばなかった人生と、モリーが直面する厳しい現実が交錯しながら進んでいく。
そんなレオが見ている幻想に登場し、故郷メキシコに暮らしていた時に出会った初恋の女性ドロレスを演じているのが、メキシコを代表する俳優のひとりサルマ・ハエックだ。今回解禁された場面写真では、ドロレスが、レオに対して悲しみや失望を感じているような姿、何かから解放されたかのように清々しい表情を見せる姿などが切り取られており、ハエックの熱演ぶりが垣間見える写真となっている。
ハエックは1995年公開の『デスペラード』でブレイク以降、30年近くにわたりハリウッドだけでなくボーダレスに活躍を続けている。最近ではマーベルのアクション超大作『エターナルズ』でのチームの冷静沈着なリーダー、エイジャック役や、巨匠リドリー・スコット監督最新作『ハウス・オブ・グッチ』での主人公パトリツィアと関わる占い師ピーナ役を好演。一方で、自身にアカデミー賞主演女優賞ノミネートをもたらした『フリーダ』をはじめプロデューサーとしての一面も持つ。そんな彼女が強いカリスマ性を発揮させ、内に秘めた悲しみを全身全霊で演じきったのが、このドロレスだ。
自身が演じたドロレスについて、ハエックは「ドロレスは問題のある結婚生活を送っています。彼女とレオは、共にとても大きな問題を抱えており、彼らはそれに対して全く異なる視点から対処しようとします。それによって、2人の結婚生活は難しい状況となっているのです」と説明。
また、初共演となるバルデムと一緒に撮影ができる日数がわずか3日であったことから、出演の決断をするまでに長い時間を要したともコメント。「このドロレスという人物を守りたかったんです。たった3日の撮影で、私はリアルな人物像を作れるのか疑問に思っていたし、ドロレスが経験する痛みを引き受けることを、最初は迷いました。出演パートも少ないし、それだけのためにこの痛みを引き受けるのに足りるのかを。この作品に出演しなかったら彼女の痛みを知ることはないのではと思ったのです。ドロレスの経験するような痛みを演じるなんて、荷が重くて人生で一度しか出来ないと思うから」と当時の葛藤を明かしている。
それでもハエックは、数ヵ月もかけて丁寧な準備を行ったうえで撮影に参加。もともとハビエルとは友人で、彼の妻であるペネロペ・クルスとも親友だというハエックは、撮影を振り返り「彼とはとてもうまく仕事ができたと思います。だって、この素晴らしい俳優は何をしても受け止めてくれますから。ハビエルの素晴らしい演技に感動し、改めて尊敬しました」と語っている。
ポッター監督は、ハエックを起用した理由について「ドロレスはレオにとっても重要な存在なので、出番は短くても強い個性を持ったキャラクターとして存在していなければなりませんでした。さらに、ハビエルと同じぐらいに力を持っていることも必要です。演じるにあたってものすごいカリスマ性を持った俳優が必要で、それがサルマだったのです」と明かしている。
映画『選ばなかったみち』は、2月25日より全国公開。