クランクイン!

中山優馬、32歳で芸能活動20周年「仕事が日常で学校が特別だった」 15歳から抱き続ける芝居への思い

演劇

中山優馬
中山優馬 クランクイン! 写真:上野留加

 今年芸能活動を始めてから20周年を迎える中山優馬。2024年に独立後も、ドラマ、舞台、音楽活動と変わらず精力的にチャレンジし続ける彼が、この秋、主演舞台『蛙昇天』でさらなる新境地に挑む。絶賛稽古中の中山に、「新たな形のエンタメ」と語る本作の魅力や、これまで歩んだ20年について話を聞いた。

【写真】クールな表情からお茶目な笑顔まで! 中山優馬、撮りおろしショット

◆実在の事件をテーマに戯曲として書かれた思いに感銘

 米ソ冷戦が激化した時代を背景に、シベリア抑留者の帰還をめぐって当時の日本社会を揺るがせた実際の事件をテーマに木下順二が書き下ろした本作は、誠実に生きたいと願った青年が苛烈な政治対立の渦へと巻き込まれ、ついには自ら命を絶つに至った事件を寓意に満ちた蛙の世界に写し取った物語。ウォーリー木下が演出を務め、矢崎広、音月桂、中村里帆、市川しんぺー、神保悟志、温水洋一ら実力派キャストが顔をそろえる。

――実話を基にした本作。出演のお話を聞かれた時のお気持ちはいかがでしたか?

中山:戯曲を読ませていただいて、すごい!と思いました。こういうお話を、例えば小説など書物として残すのではなく、はなから戯曲に、舞台上で巻き起こすための作品にしているというところに、すごく思いを感じて。舞台人としては、こんなお話に声をかけてもらったら絶対にやりたいと思いました。

――ベースとなる事件は75年近く前に起こったものですが、現代でも似たような出来事が起こっているのが、なんとも言えない気持ちになります。

中山:人間の業というのはやっぱり変わらないのかっていう気持ちになりますし、そういう意味では、永遠のテーマというものにもなってくると思います。今の時代においてもテーマになってしまうということ自体がすごく皮肉なことでもありますよね。

――今回、蛙の役だとお聞きになった時のお気持ちは?

中山:視点としてすごく面白いなと思いました。蛙の世界だからこそ、自分事としてより、もうちょっと俯瞰して物語全体を見ることができるというか。これが例えば自分の身内が経験していたらもう辛すぎて読めないとなるところが、蛙という設定にしてくれたおかげで、ちょっと俯瞰で捉えられました。

台本を読んでいる時は人間社会として読んじゃっていたので、いざ稽古に入ってみると、結構蛙の度合いが大きくて驚きましたけど(笑)。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『蛙昇天』メインビジュアル
――かなり蛙濃度が高いんですね。

中山:戯曲の中でも、我々の知能レベルではまだ人間のことはそこまで分かっていないんだ、というようなセリフがあるんです。人間という生物のあり方、人間がどう思ってこういうことをするのか、何を思って池に石を投げ込んでくるのか。その辺はいまだに全く解明されていないんだ、と。その描き方が印象に残りました。そのほかは人間として読んでも別におかしくない言葉ばかりなのですが、そういうセリフがあった時に「蛙ってこう思ってるんだな」と感じたのと同時に、人間である自分でさえ、なぜ人間が池の中に石を投げ入れたり、人のことを平気で殴れたりするんだろうと考えると分からないなと感じたんです。人間って確かに不思議な生き物だなと思ったんですよね。

――演じられる蛙のシュレは、どんなキャラクターだと捉えられましたか?

中山:悩める青年で優しいんだと思います。優しくて素直で、稀有な存在であることは間違いないと思いますね。清廉潔白で、清い存在すぎて濁りに耐えられなかったというか。

シュレみたいに生きられたらカッコいいなと思います。ただ、ロジカルすぎるので、もうちょっと楽に生きてもいいんじゃない?と思う時もある。真面目な善人ほど、そういうところに陥りやすいのかなとも思います。

――ご自身と似ている部分はありましたか?

中山:似てる部分があるのかどうかは分からないですけど、でもシュレが言っていることはすごく分かります。自分が信じたい感覚とか、自分が信じていなくても元からそこにあるもんだと思っていた絆、そういうものって当たり前に存在していると僕も思っているところがあるので。

僕には愛犬がいるんですけど、僕と犬の関係でも、犬は僕のことを裏切らないし、僕は犬のことを裏切らない。これって別に誓約書で何かやったわけじゃないけど、そこに絆や愛のような本質的な何かっていうのは根本的にあるでしょ、それがなくなった場合ってどうなるの?ってシュレはずっと言ってるので確かになって思うし。だから、シュレの言ってること、言いたいことはよく理解できますね。

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◆ウォーリー木下のエンタメ性あふれる演出に驚き

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【公演概要】

舞台『蛙昇天』
舞台『蛙昇天』ビジュアル

舞台『蛙昇天』

■日程・会場
10月24日〜11月8日 KAAT神奈川芸術劇場<ホール>

■作:木下順二
■演出:ウォーリー木下

■出演:
中山優馬 矢崎広 音月桂 中村里帆 市川しんぺー
久ヶ沢徹 町田マリー 百瀬朔 白又敦
北川結 内海正考 中村駿 塚越志保 肥田野好美 米原有我
神保悟志 温水洋一

■演奏:西村直晃 成田七海 清田瞬

■スタッフ
音楽:トクマルシューゴ 西村直晃
振付:北川結 仁科幸(モモンガ・コンプレックス)
美術:松生紘子  
照明:松本大介
音響:星野大輔
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:新井健生
演出助手:友花
舞台監督:川除学
制作進行:ycoment

宣伝美術:永瀬祐一
宣伝写真:西村淳
宣伝衣裳:藤崎コウイチ
宣伝ヘアメイク:新井健生
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