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今年で還暦! “スーパースター”トム・クルーズの軌跡 アイドルから体を張るアクション俳優へ

映画

●映画人トム・クルーズとしての研鑽と、妥協なきクオリティコントロール

 主演やプロデューサーという肩書に隠れがちだが、トムのフィルモグラフィーの特徴として、“監督選び”が挙げられる。『トップガン』以降、作品を選べる立場になったトムは、40代あたりまではとにかく監督を重視した作品に出演していた。オリヴァー・ストーン、ロン・ハワード、ブライアン・デ・パルマ、スタンリー・キューブリック、スティーヴン・スピルバーグなどなど、泣く子も黙る顔ぶれ。そんな偉大な巨匠たちとの映画製作に精力的に参加しながら、俳優としてはもちろん、自身のプロデューサーとしての能力も磨いていったであろうトム。50台を迎える頃からは、自分より若い監督を起用することが増え、若い才能に自身の経験を伝えつつ、新しい時代の感覚を取り入れることも忘れない。映画人トム・クルーズは常に研鑽(けんさん)を続けているのだ。

巨匠スタンリー・キューブリックとタッグを組んだ『アイズ ワイド シャット』(1999)
 そしてもうひとつトム・クルーズの成功を支えているのは、妥協なきクオリティコントロール。あるインタビューで「僕はただ映画を作るために、映画を作るわけではない」と言っていたように、常にしっかり目的を持って映画制作にあたり、妥協はしない。ここ最近、トムと言えば“体を張ったスゴいスタント”が大々的に取り上げられるが、あれは観客を映画に引き込むための“リアリティ”のためにやっているにすぎない。もしスタントマンを使った方が作品のクオリティが上がるのであれば、トムは悩むことなくスタントを使うだろう。コロナ禍で、現場の感染対策ルールを守らなかったスタッフを叱責した音声が流出し話題になったが、自身への厳しさと同様に、スタッフに求める意識も高い。だが、そうした真剣に取り組む姿勢が、35年間第一線で活躍し続けるスーパースターたりえる礎を築いたことも確かだろう。

●36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』(5月27日公開)

36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』 (C)2022 Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
 いよいよ公開となる『トップガン:マーヴェリック』。1作目は誰もが知る人気作だけに、続編の話も度々取りざたされてきた。しかしトムは「ノー」と言い続け、その間、誰の手にもマーヴェリックのその後の物語を渡さないだけのスターであり続けてきた。最新作の見どころは、何といってもあの頃とは違う、“アクションスター”としてのトムが演じること。すでに公開されているメイキング映像などからも、CGに頼らないリアリティを突き詰め、若者たちと一緒に実際の戦闘機に乗り込んで、文字通り体を張った撮影を行うトムの姿が見て取れる。そして、あの主人公マーヴェリックを、間もなく還暦を迎えるトムが再び演じる。それを見られるだけでもファンには感涙ものだが、あの若くて無鉄砲だった男は、今や若い世代に戦いの厳しさを教える教官に。長きにわたりスーパースターであり続けたトムが、次世代の若者たちに何を残すのか。その雄姿をぜひスクリーンで見届けたい。(文・稲生稔)

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