視聴率5%ではもったいない!『ナンバMG5』ただの“ヤンキードラマ”でない魅力
『ナンバMG5』第7話より(C)フジテレビ
また近年、表現に対してセンシティブになっているテレビ業界の中で、ヤンキーがテーマというドラマの雰囲気も、視聴率が今一つ振るわない理由の1つであると感じている。
間宮演じる主人公・剛の見た目は一昔前の昭和なヤンキー。白い特攻服には金で縁取られた赤文字で“気合”や“根性”、“喧嘩上等”の文字や黄金に輝くドラゴンが刺しゅうされており、さらには“殺”と赤いマジックで大きく書いたマスクを武装している。昨今、視聴者の身近なことをテーマにしたドラマがウケている中で、「ヤンキードラマか」と偏見を持つ人がいるのも仕方がないだろう。
しかし、蓋を開けてみると、『ナンバMG5』は、そんなヤンキーたちに抱く偏見を見事に取っ払うような作品だということを声を大にして伝えたい。
主人公の剛、その家族、ヤンキー高校に通う伍代直樹(神尾楓珠)、身体能力の高いヤンキー・大丸大助(森本慎太郎)など、登場人物の半数以上はたしかにヤンキーなのだが、理由なく暴力を振るうようなキャラクターは誰1人としていない。
相手がヤンキーであろうとなかろうと、己の信念を抱く者、頑張っている者のことを真っすぐに応援する純粋な心を持ち合わせている。そんなキャラクターたちのアツさに、ふと泣かされる視聴者も少なくない。
また、難破家の食卓シーンや、剛と伍代、大丸の会話のシーンは、言葉遣いは悪くともあまりにも純粋でクスッと笑ってしまうことがしばしば。水曜日の夜10時で苦戦中ながら、届いている視聴者の心は確実に打っている一作。残すところ後わずかだが、クライマックスまで見届けたい。(文:於ありさ)
ドラマ『ナンバMG5』は、フジテレビ系にて毎週水曜22時放送。