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『silent』“奈々”夏帆の“夢”であり“夢” 「ハンドバッグ」が指す意味

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ドラマ『silent』第6話より
ドラマ『silent』第6話より(C)フジテレビ

 女優の川口春奈が主演を務めるドラマ『silent』(フジテレビ系/毎週木曜22時)の第6話が10日に放送。想(目黒蓮)のことを思い続ける奈々(夏帆)が見た“夢”として描かれた「ハンドバッグ」の描き方が秀逸だった。

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 第6話では難聴を患った想が、生まれつきろう者である奈々と出会った大学生時代のことが描かれた。奈々は想のことを思い続けているが、想が元恋人の紬(川口)と再会し、2人で会っているところを見てショックを受ける。苦しい思いを抱える奈々は想に対して、思わず悪態をついてしまう。

 ――そんな夜、奈々は夢を見る。鮮やかな色のハンドバッグを片手に提げ、バッグからスマホを取り出し、想に電話を掛ける。想が電話に出る。2人は楽しそうに話す。想の姿を見つけた奈々は遠くにいる彼に声を掛ける。奈々の姿を見つけた想は笑顔で手を振る。出会った2人。奈々は左手に持っていたハンドバッグを、さっと右手に持ち替え、想と手をつないで歩き出す――。

 幸せいっぱいのシーンが終わると、ベッドに眠る奈々の姿。目覚めた奈々は涙をぬぐう。それは奈々が見た“夢”であり、彼女が願った“夢”だった。

 奈々は手話をするため、両手を空けておくため、いつもリュックで、片手をふさいでしまうハンドバッグは持てないのだ。

 この“夢”のシーンの前には、店先に飾られた鮮やかな色のハンドバッグを見つめる奈々の姿が描かれていた。このとき奈々は願ってもかなうことのない、“夢”を思い描いていたのかもしれない。この一連のシーンにセリフは1つもなかった。だが、彼女の思いが凝縮されていた。

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