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『silent』「伝わった?」「伝わったね」 川口春奈と目黒蓮の“穏やかなハグ”が取り払った“壁”

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ドラマ『silent』第7話より
ドラマ『silent』第7話より(C)フジテレビ

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川口春奈

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 「伝わった?」「伝わったね」。川口春奈が主演を務め、人々の思いを幾重にも交錯させるドラマ『silent』(フジテレビ系/毎週木曜22時)の第7話が17日に放送された。これまで、登場人物たちの抱える切なさ、苦しさ、もどかしい気持ちが心を揺さぶってきたが、第7話は、優しさと温かさに包まれる回だった。

【写真】紬(川口春奈)、想(目黒蓮)、奈々(夏帆)それぞれの“壁”を取り払った『silent』第7話を写真で振り返り

 ふたたび距離を縮めていく紬(川口)と想(目黒蓮)だったが、想は、奈々(夏帆)が泣いていたことは「紬とは関係ない」と線を引く。これまでにも本作では、たびたびそれぞれが生きる世界の境界線、壁が描かれてきた。想の母・律子(篠原涼子)は「耳が聞こえる人と関わると傷つくから、関わらせたくない」と、奈々は「聴者とろう者、中途失聴者。みんな違うから分かり合えない」と言った。たしかに完全に理解する、分かり合うことは難しいかもしれない。でも共に居ることはできるのではないだろうか。そう感じさせる描写が登場した。

 まず奈々の変化。紬は想の“大事な人”である奈々を知ろうとする。そして直接会って、「今の佐倉くんがいるのは、奈々さんのおかげです」と懸命に手話で語り「ありがとう」と伝えた。紬の弟の光(板垣李光人)が、湊斗(鈴鹿央士)に「この3年あっての姉ちゃんだから。視界に入りこんでくれてありがとう」と伝えたように。紬のまっすぐな気持ちに、奈々の心は、想に教えた手話を「好きな人に渡したプレゼントを“使い回された”」から、“おすそ分け”できたと変化し、「あげてよかった」とほほ笑んだ。さらに、奈々が見る叶わぬ“夢”と、同様の夢を想も見ることがあると聞いた奈々。そこでの奈々は想の声を聞き、想にはおしゃべりな奈々の声が聞こえていると教えられ、とても晴れやかな笑顔を見せた。

 図書館での男の子とのやりとりも、壁を取っ払って見せた。高い棚にある本を、背の高い想に取ってもらおうと声をかけてきた小さな男の子。「赤い本」との声が聞こえない想は、男の子を抱っこすることで、お目当ての本を探し当てた。筆談も手話もない。でも想と男の子は、笑顔を媒介に「伝わった」ことを実感する。さらに、手話でおしゃべりしていた想と奈々の笑い声が漏れ出ると、男の子が「シー」と注意に来る。これまで聴者とろう者は別の世界線にいると感じさせてきた図書館に、「同じ場所にいるよ」と温かな風が吹き抜けた瞬間だった。

 そして終盤での紬と想のハグ。紬のアパートのソファで、紬の手を握りながら声を出そうとする想に「しゃべらなくていいよ。声も好きだったけど、声以外も好きだから」と伝える紬。「伝わった?」「伝わったね」。多少口は読めてもすべては理解できていないはずの想だが、温かで穏やかなハグに、紬の気持ちはしっかり伝わったことが分かった。

 人は壁を築くだけでなく、窓を開けることもできると教えてくれた第7回。一方で、想がなぜ声を出そうとしないのかは分からぬまま。また、奈々と手話教室の教師・春尾(風間俊介)が知り合いだということも明らかに。まだまだ切なさが加速しそうだ。(文:望月ふみ)

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