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『ライオン・キング』“6億本の毛”で描かれた究極のモッフモフ! CGとは思えない映像はいかに実現したか

映画

■CGをさらに進化させた、フルCGアニメーション

 そんな毛のCG表現を着実に進化させてきた大きな要因の一つが、ピクサーを含むディズニーアニメだろう。

映画『塔の上のラプンツェル』(2010)ラプンツェルの毛専用のソフトが開発された 写真提供:AFLO
 “髪の毛”が大きくフィーチャーされた作品と言えば、2010年公開の『塔の上のラプンツェル』である。同作のヒロインであるラプンツェルの大きな特徴は、とても長い髪の毛。それをリアルに描くことは作品の大きなポイントであり、約14万本もの髪の毛を描き、それを動かすために専用のソフトウェア開発が不可欠だった。その開発費も手伝って、同作にはアニメーション映画史上最大の予算がつぎ込まれた。

映画『モンスターズ・ユニバーシティ』(2013)モッフモフのサリー 写真提供:AFLO
 さらに2013年の『モンスターズ・ユニバーシティ』では、主人公のひとりである毛むくじゃらの巨大モンスター、サリーが前作に続き登場。ここでは異常なまでにモフモフなサリーが描かれ、その毛の本数は実に約540万本! これは2001年に公開された前作『モンスターズ・インク』の5倍にあたる量で、CG技術の進化が窺える。映画は1秒当たりに696時間のレンダリングを要するという途方もない労力が注ぎ込まれた。

映画『ズートピア』(2016) 写真提供:AFLO
 さらに2016年に公開された『ズートピア』は、『ライオン・キング』と同様、登場人物は動物のみ。これまで“毛むくじゃら”が登場するのは一部のシーンだけだったが、『ズートピア』ではほぼ全編に渡る。これまでディズニースタジオは2008年ごろに開発された毛の表現ソフトウェアを使用していたが、旧来のソフトではこの作品に対応できず、よりリアルな毛の表現を実現するために新たなソフトウェアが開発された。スタッフが「毛の量に力を注いだ」というように、膨大な労力が注がれたその出来栄えはすさまじく、本作でCGの毛の表現は新たな時代に突入したと言っていいだろう。

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■ついに毛の表現史上最高峰に到達した超実写版『ライオン・キング』

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