クランクイン!

  • クラインイン!トレンド

『ライオン・キング』“6億本の毛”で描かれた究極のモッフモフ! CGとは思えない映像はいかに実現したか

映画

■ついに毛の表現史上最高峰に到達した超実写版『ライオン・キング』

 そして、満を持して“究極”ともいえる毛の表現に到達したのが、今夜放送の超実写版『ライオン・キング』である。

 本作に登場する動物は60種類以上、その数は9000を超え、描かれた毛の数はなんと6億本。レンダリング作業には合計で7700万時間を要し、もし1台のパソコンで作業した場合8790年かかる計算になる(!)。計画が動き出してから公開までが約3年、いったいどれほどのパソコンがこの作業に使用されたのだろうか…。

映画『ライオン・キング』(2019) 写真提供:AFLO
 毛の表現はもちろんだが、さらに驚くべきは、実写に見せるための撮影プロセスだ。本作は、なるべく実写の映像に近づけるためにVRでのロケを敢行した。これがどういうことかというと、まずスタッフは実際にアフリカのサバンナへ行き風景写真をたくさん撮影する。それを持ち帰ってVR空間内でアフリカのサバンナを再現し、そこに簡易的なCGの“動かせる動物”を配置、VRゴーグルをつけたスタッフたちは、実際の撮影のように仮想空間のアフリカでロケし、CGの動物たちに演技をつけて撮影したという。

 カメラアングルも実写っぽいものに抑えられ、CG映画にも関わらず実写映画の撮影監督が撮影を行い、毛はもちろんのこと、皮膚と毛の多重構造、影、絡み、濡れ、汚れなどをさらにリアルにするべく、新しいプログラムも開発された。これらによって、全くCG感のないCG映像が生まれたというわけだ。

映画『ライオン・キング』(2019) 写真提供:AFLO
 CGによる毛の表現は、ディズニーがこれまで培った経験とあくなきリアリティの追求によって、本作で究極のリアリティに到達した。しかし、昔に比べてコンピューターの処理速度が上がり、新たなソフトウェアが開発されても、そこに膨大な労力が必要になることに変わりはない。まさにこれまでのCGスタッフたちの汗と涙の結晶が本作なのである。

 そんな最新の技術と膨大な労力によって生み出された“究極のモッフモフ”を、金曜ロードショーでご確認いただきたい。(文:稲生D)

 映画『ライオン・キング』は、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて今夜12月30日21時放送。

<参考>
https://youtu.be/DlJkEe315mM
https://www.animationmentor.com/blog/hair-fur-advances-in-special-effects/
『ズートピア』MovieNEX Blu‐ray ボーナスコンテンツ

3ページ(全3ページ中)

この記事の写真を見る

関連記事

あわせて読みたい


最新ニュース

  • [ADVERTISEMENT]

    Hulu | Disney+ セットプラン
  • [ADVERTISEMENT]

トップへ戻る