『愛していると言ってくれ』から『silent』まで 忘れられない名作ぞろい!手話ドラマ5選
◆妻夫木聡×柴咲コウ主演の青春群像劇『オレンジデイズ』(TBS系)
(左から)妻夫木聡、柴咲コウ
名作『愛していると言ってくれ』を手がけた北川悦吏子が脚本を担当し、主演に妻夫木聡と柴咲コウを迎えたのが、2004年4月期放送のドラマ『オレンジデイズ』(TBS系)。大学卒業を1年後に控えた5人の若者たちが、恋や進路に悩みながらもひたむきに生きていく姿を描いた青春群像劇だ。
社会福祉心理学を専攻する4年生・櫂(妻夫木)はある日、キャンパスでバイオリンを演奏する沙絵(柴咲)と出会う。彼女は将来を嘱望されたバイオリン奏者だったが、海外留学中に病気を患い、聴覚のほとんどを失っていたのだった。手話のできる櫂や彼の友人たちとの温かい交流を通じて、沙絵は次第に心を開いていく。
大学最後の1年間という特別な時間をドラマチックに描いたストーリーが視聴者の共感を集めたのはもちろんのこと、本作では、柴崎扮するヒロイン・沙絵のキャラクターが出色。周囲のサポートを得ながら、自分の力で未来を切り拓こうと奮闘する彼女の力強さが感動を呼んだ。
◆川口春奈×目黒蓮共演 2022年の話題作『silent』(フジテレビ系)
川口春奈
最後に紹介するのは2022年屈指の話題作となった川口春奈×目黒蓮共演のラブストーリー『silent』(フジテレビ系)。登場人物たちの機微を丁寧にすくいとった描写やセリフをシナリオで表現した新人脚本家・生方美久にも注目が集まった。
紬(川口)と想(目黒)は高校時代に交際していたものの、想から一方的に文字だけで別れを告げられてしまう。そこから8年後。紬と想は東京で偶然の再会を果たすことに。紬は思いを伝えるものの、想は困惑した表情を浮かべながら手話で答えを返すのだった…。
物語は、紬が若年発症型両側性感音難聴を患った想と図らずも出会い直すことから始まる。音のある世界で生きる紬と音のない世界で生きる想が、時にすれ違いながらも絆を紡いでいく姿に多くの視聴者が感動。また中途失聴者の苦悩や聴者とろう者の恋といったシリアスなモチーフを盛り込んでいる点や、ろう当事者の俳優を起用している点でも話題となっていた。
(文:スズキヒロシ)