『キングダム 運命の炎』“信”山崎賢人&“えい政”吉沢亮の「運命」左右する新キャラを振り返る!
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山崎賢人が主演する映画『キングダム』シリーズ。中国春秋戦国時代を舞台に、天下の大将軍になるという夢を抱く戦災孤児の少年・信(山崎)と、中華統一を目指す若き王・えい政(吉沢亮)を壮大なスケールで描く漫画「キングダム」(原泰久/集英社)の実写映画で、3作目となる『キングダム 運命の炎』が昨年公開され大ヒットを記録した。今回は、そんな『キングダム 運命の炎』で初登場したキャラクターにフォーカス。信とえい政の運命に大きな影響を及ぼしたキャラや、すでに発表されている4作目『キングダム 大将軍の帰還』につながる重要キャラ達を徹底解説する。
【写真】『キングダム』3作目では杏や山田裕貴が参戦! 迫力の場面写真
昨年公開されたシリーズ3作目『キングダム 運命の炎』は、“キングダムの魂”とも言える若き王・えい政の過去を描いた「紫夏編」と、信が初めて王騎将軍とともに戦場で戦うことになった「馬陽の戦い」を描き、昨年度実写映画No.1の大ヒットを記録した。「紫夏編」「馬陽の戦い」それぞれには、信やえい政の“運命”を動かした魅力的なキャラクターが登場している。それぞれ見ていこう。
■紫夏/杏
『キングダム 運命の炎』 (C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会
本作前半のMVPと言っていいのが、杏演じる紫夏だ。闇商人として、敵国・趙からえい政の脱出を手配する紫夏は、笑顔と軽やかな語り口調が印象的だが、戦いの場となれば武器を取ることもいとわない。しかしその過去には、戦災で父、そして育て親も亡くしたという深い傷を負っているという役どころだ。原作でも人気の高い「紫夏編」だが、強くも切ない紫夏を、杏が見事に演じきった。
『キングダム 運命の炎』 (C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会
趙にいた頃のえい政はといえば、趙国民からの秦への恨みを一手に受けて虐げられる日々。信じられるものもおらず、痛みや味、暑さ寒さを感じることもできないほどに心を閉ざしていた。そんなえい政の前に現れた紫夏は、戦乱の世に浮かぶ月の輝きの美しさを気づかせ、「痛みを感じないのなら、私が代わりに感じます。味も、においも、全部。でも大丈夫、あなたはちゃんと感じていますよ」と語り掛けてえい政の心を溶かしていく。そして彼女のてん末を目の当たりにしたえい政は、この一件をきっかけに「中華唯一王」を目指し再び心に炎を宿すのだ。まさに、紫夏こそえい政の“運命の炎”を灯した女性であるといえるだろう。
■馮忌/片岡愛之助
『キングダム 運命の炎』 (C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会
前半ではえい政の“運命の炎”が灯った瞬間を描いたが、後半では主人公・信の“運命の炎”が大きく燃え上がる。そこに立ちはだかるのが、趙の将軍、馮忌だ。「将軍でありながら軍師並みに頭も切れる」と噂される有能な武将であり、秦国六大将軍の1人でひときわ異彩を放つ王騎に、「非常に頭が切れる。戦いが佳境になればなるほどやっかいな存在になります」と言わしめた馮忌。秦に攻め入った趙軍の中央に構え、秦軍の前に立ちはだかる。片岡愛之助演じる馮忌は、どんな場面でも冷静でほとんど表情を変えることもない。淡々と「皆殺しだ」「すりつぶせ」など物騒な指示を出していく様に肝が冷やされる。
『キングダム 運命の炎』 (C)原泰久/集英社 (C)2023映画「キングダム」製作委員会
前作で“戦場デビュー”を果たし、その功績から今作では「百人将」として100人の兵士を率いる隊長となった信。王騎から「飛信隊(ひしんたい)」という隊名を授かり、将軍としての第1歩を踏み出す信が初めて挑む任務は、「馮忌の首を獲ること」だった。信率いる飛信隊の熱い活躍と、その裏で繰り広げられていた王騎と馮忌による頭脳戦は本作のハイライトと言っていい。戦いの最前線からの目線と、大局をにらむ大将軍同士の静かなぶつかり合いを同時に楽しめるのが、『キングダム 運命の炎』の面白いところだ。