『アラジン』“他とは違うプリンセス”ジャスミン、アニメ版と実写版で実は大きな変化があった!<実写版今夜放送>
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今夜、『金曜ロードショー』(日本テレビ系)にて実写版『アラジン』が放送される。『アラジン』に登場するヒロイン・ジャスミンといえば、1992年に公開されたアニメ版でもそれまでの“プリンセス像”とは一線を画すキャラクターで、現在でもファンが多い。そして、世界中の大きな期待を背負い、2019年にナオミ・スコットが演じた実写ジャスミン。アニメ版と見比べてみると、そのキャラクターには実はいくつかの違いがあるように感じる。今回は、実写版ジャスミンがアニメ版からいかに変化しているのかを探ってみたい。
【写真】アニメの衣装みたい! 実写版ジャスミン、ターコイズブルーのドレス姿
1992年に公開されたディズニー・アニメーション映画『アラジン』は、主題歌の「ホール・ニュー・ワールド」がアカデミー歌曲賞を受賞するなど大きな話題となり、大ヒットを記録。その『アラジン』が2019年に、27年の時を経て完全実写化された。貧しい若者・アラジンと、プリンセス・ジャスミンの恋や、ランプの魔人・ジーニーの魔法におなじみのナンバー、そして異国情緒あふれる街や衣装など、誰しも心躍る一作に仕上がっている。
■「自由になりたい」アニメ版、「王になりたい」実写版
アニメ版ジャスミンは、それまでディズニーが描いてきたプリンセスとはかなり違っていた。まず見た目の部分では、初めての有色人種であり、服装はパンツルックだ。そして恋愛に対するマインドとしては、「王子さまに選んでもらいたい」ではなく、「結婚相手は自分で選びたい」というスタンス。自分との結婚(=アグラバーの王座)を求めて、毎日のようにやってくる異国の王子たちにうんざりする日々をすごしている。宮殿から出ることもできず「自由がない」ことが悩みの種だ。
一方、アニメ版の27年後に描かれた実写版ジャスミンは、そもそも「自分の結婚相手=未来のアグラバーの王」という構図に納得がいっていない。アニメ版でも、ジャスミンという女性は非常に賢く気高いキャラクターとして描かれる。それをしっかりと引き継いだ実写版ジャスミンは、恋愛や結婚はさておいて、「自分が国王になりたい」という思いを持っている。
映画『アラジン』場面写真(C)2019 Disney Enterprises, Inc. All rights reserved.
これには、両作の公開当時の背景もあるだろう。27年前といえば、女性の地位向上が図られる動きはあったものの現実はまだまだ男性社会。ジャスミンは「愛のない結婚」こそ拒否しているが「自分が結婚した相手が王になる」ということに対しては受け入れているようだった。それよりも、「女性が自由に生きる」ことへの難しさと解放への思いを強く持っていたように感じる。かくして、2019年の世界では(まだまだ実現できていない地域も少なくないが)男女の平等やジェンダーレスが叫ばれるように。そんな時代に改めて描かれたジャスミンは、“男性社会”への異を唱えるキャラクターに変化していた。