「25年楽しみな冬ドラマ」ランキングの“トップ3”、第1話は実際どうだった? 徹底レビュー
主演する香取慎吾
「期待の冬ドラマ」ランキング第2位は、香取慎吾が主演を務め、志尊淳が共演する『日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった』(フジテレビ系/毎週木曜22時)。
本作は、区議会議員選挙で当選するためにイメージアップを狙い、シングルファーザーの義弟・小原正助(志尊)とその子どもたちと暮らすことになった主人公・大森一平(香取)が、次第に家族の問題と真剣に向き合うようになり、やがて本気で社会を変えようと立ち上がる姿を、笑いあり、涙ありの完全オリジナルストーリー。香取と志尊が初共演で義兄弟を演じるほか、冨永愛がフジ連ドラ初出演、さらに増田梨沙、千葉惣二朗、向里祐香、安田顕が顔をそろえる。
香取にとって本作は、『SMOKING GUN〜決定的証拠〜』以来となるフジテレビ連続ドラマ約11年ぶりの主演作だ。演じる一平は元テレビマンで、華やかな世界の住人だったが、何らかの不祥事の責任をとってテレビ局を去ったよう。第1話ではそんな一平が、亡くなった自身の妹・陽菜(向里祐香)の夫・正助(志尊)とその子ども、ひまり、朝陽を家に迎え入れるまでを描く。心優しい叔父を演じようとする一平だが、テレビマン特有(?)の大雑把な性格が災いし、家事や育児では失敗が続き、賢い姪っ子・ひまりにはその本心が半ば見抜かれ、心を開いてもらえない。
「家族とは何か?」がテーマの一つとなる本作。一平がひまりに「(今まで)3回しか会ってないのに?」と嫌味を言われ「3回しか会ってなくても家族は家族だ」と言い返すシーンがある。しかしその直後、ひまりがその場を去った後に一平が「いろいろ大変だよね、父親って」「ひまりちゃんは陽菜の連れ子でもあるし」と労おうとするが、正助は「そんな風に思ったことないです。ひまりは僕の子です」ときっぱり言い切る。「家族は家族」などと表層的なきれいごとを並べ続ける一平のうすっぺらな家族観が、あっさり暴かれてしまうシーンだ。本作はここから一平が紆余曲折を経て、ニセモノではない本当の家族になっていくストーリーなのだろうか。
すでに多くの人が知る通り、本作に出演するはずだった女優・中山美穂さんが昨年末に急逝した。第1話では中山さんの出演部分も放送され、エンディング後には追悼コメントが掲載された。来週放送の第5話には、妹の女優・中山忍が、中山さん演じる園田美奈子役の設定を引き継ぎ、鮫島ふみ役で出演する。メインキャストではないが、家族から家族へと引き継がれたこちらのバトンにも注目したい。