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そもそもソニーはF1を走れない!? “F1ガチファン”に聞いた映画『F1(R)/エフワン』の感想が面白すぎた<後編>

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■ソニーはF1(R)を走れない!?

稲生D:前編でお話いただいたソニーのハチャメチャな作戦もですが、これはあり得ないという点は他にもありましたか?

鈴木: まず、F1に出るには「スーパーライセンス」というものが必要なんです。下位カテゴリ―のF2でタイトルを獲ったり、ポイントが累積40点になったらもらえたりする、いわば“免許”です。で、どう考えてもソニー、持ってないよなという(笑)。

昔はなかったんですが、フェルスタッペンが17歳でデビューして以降、安全面の懸念から約10年前にルールができました。一応特例みたいなものもあるんで、ファンタジーとして見てましたけど。

稲生D:そういえばAPXオーナーのオフィスの後ろにマクラーレンが飾ってあったじゃないですか。27番。あれもセナの90年のマシンですよね。

鈴木:あのAPXの建物は、実際のマクラーレンのファクトリーを借りて撮影してますね。周囲の池みたいなのが特徴なので、すぐ分かりました。マクラーレンホンダも大映しになっていて、なんでAPXなのにマクラーレンホンダが映ってるのかは謎でしたけど(笑)。

これはあり得ないだろうという話でもう1個。クライマックスアブダビのレースでは、予選に出ていなかったソニーがいきなり決勝に出るんですが、あれ、ルールでダメなんです。

映画『F1(R)/エフワン』場面写真 (C)2025 WARNER BROS.ENT.ALL RIGHTS RESERVED.
稲生D:まさかの!

鈴木:予選を走らないと決勝は出場できないルールがあるんです。予選を走った人がけがや体調不良で出られなくなっても、代役を立てることはできません。欠場になります。映画でソニーが急きょレースに出場することになり、チームを買おうとしている投資家が、何だって!?と驚くのは、ザ・映画だなという展開ですね。しかも、グリッドに並ぶまでに周回するはずなのに、ソニーが突然スマホで「俺はここにいるぞ」とやるのも、実際はちょっと無理がある(笑)。

稲生D:そこは映画っぽさですね。

鈴木:あとファンとしては、予選にも少し触れてほしかったですね。

稲生D:たしかに予選については何もなかったですね。

鈴木:F1ドライバーとしての評価は予選で決まるところがあるんです。決勝レースは運や作戦の要素も絡むんですが、予選は純粋な速さを競うので。同じマシーンに乗っているチームメイトと比べて予選が速いと、評価が上がるんです。逆に予選で負けちゃうと、いくらレースでいい成績でも評価が上がらなかったりする。

確か3戦目のイタリアGPで予選結果が一瞬映り、ジョシュアが予選10位だったと思うんです。そしてソニーが15位だった。弱小チームが予選10位に入るって、結構なドラマなんです。予選は全部で20台からノックアウト形式でやります。タイムアタックでまず15台に絞って、さらに5台落ちて、残った10人で最終アタックをやる仕組みで、そこにもドラマがあります。最下位のチームが予選10位に入っていたら、多分もっと大騒ぎしてますね。

稲生D:なるほど(笑)。

鈴木:最後まで観て、ブラピとジョシュアはどっちが速いのかがよく分からなかったので、予選で常にジョシュアの方が速い早いみたいな演出があったら、最後ジョシュアを勝たせようとするというストーリーもなるほど、となったかなと思いました。

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■現実でも起きた映画『F1(R)/エフワン』

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