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そもそもソニーはF1を走れない!? “F1ガチファン”に聞いた映画『F1(R)/エフワン』の感想が面白すぎた<後編>

映画

■現実でも起きた映画『F1(R)/エフワン』

稲生D:話は尽きないですが、最後に鈴木さんにとっての本作の激アツポイントを教えていただけますか?

鈴木:クライマックスのアブダビGPのラスト3周はレースとしてもドラマとしても熱いですよね。レッドフラッグが出て、それがクリアになってからの3周。あのシーンは、実はハミルトンが同じようなシチュエーションで経験した悪夢のオマージュかなと思ったりもしました。

2021年のF1最終戦アブダビGPで、最後の何周かでクラッシュしたドライバーがいて、その影響でハミルトンはセーフティカー中に新しいタイヤをつけたフェルスタッペンに最終ラップで抜かれて、チャンピオンを失ってしまったんです。本当はあれ赤旗でも良かったんじゃないの?とハミルトンは思っていたのかなぁとか、そういう意味で入れたシーンなのかなと思いました。F1ファンとしても思うことがある場面でした。

また、ドライバーがゾーンに入るという話も本当にあって、映画では「空を飛ぶ」という表現だったんですが、車載カメラの映像が空を飛んでいるようでしたね。最後1ラップは短縮したりせず、しっかりアブダビのコースをゴールに向かっているのが分かりましたので感動しました。最後3周の白熱シーンは、F1を知らない人でも楽しめるんじゃないかと思います。

映画を観る前は、ブラピの超絶テクニックでストレートで何台もごぼう抜き、みたいな映画になるのかと思っていたら、全然違いました。ラスト3周で、予選結果が悪かったから新品タイヤがまだ残っていて交換できるというのも、本当にあった話なのでリアリティがありましたし。

実際のF1って、ありえなそうなことが本当に起きるんです。例えば今月初めには、昨年最下位チームがイギリスGPで表彰台に上がるということが起きました。キック・ザウバーというチームで、ドライバーはニコ・ヒュルケンベルグ。彼はデビューから238戦表彰台なしという不名誉な記録を持っていたんですけど、イギリスGPでは最後尾からのスタートで、力強い走りとさまざまな運も味方に付けて、ついに初めての表彰台(3位)に上がりました。Xでも「まるで映画」「いや映画より凄い」「仕込みじゃないの?」なんて声まであがりました(笑)。ですから、あながちAPXチームのようなことはあり得なくはないんです。

239戦目で初の表彰台に立ったニコ・ヒュルケンベルグ ※「ニコ・ヒュルケンベルグ」インスタグラム


僕の周りの人たちも高評価ですし、これを機に全然F1を知らなかった友達がドライバーってかっこいい人ばっかりじゃんって興味が出たとか。字幕を監修しているのも中野信治さんという元F1ドライバーの方で普段は解説もしている人だし、この映画を観てレース中継を見てみたくなったという人もいらっしゃる。そうやって、ファンのすそ野がどんどん広がっていって、もっともっと日本でのF1人気が高まっていくといいなと願っています。

>>前編も配信中!

 映画『F1(R)/エフワン』は公開中。

【鈴木淳史】
F1ファンコミュニティ「みんなでFトモ」管理人。ファン交流会イベントの開催や現地観戦情報の発信を中心に、“日本一、役に立つF1ファン”を目指して活動中。著書に鈴鹿サーキット公認「2025年鈴鹿GP 観戦ガイド」

【稲生D】
映画好きが集まるインターネット映画ファンコミュニティ「共感シアター」のディレクター兼MC。映画の同時再生番組や毎週の映画情報番組などを中心に、“好きな映画をさらに楽しむ”というコンセプトのもと活動中。

(構成:編集部)

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