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「完ぺき!」じゃなくていい。『じゃあ、あんたが作ってみろよ』は大人たちへの全力応援ドラマだ!

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ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第5話より
ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第5話より(C)TBSスパークル/TBS

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竹内涼真

 秋ドラマも後半へ突入。初回から話題と注目をかっさらった夏帆&竹内涼真主演のTBSドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』が、遊び心とテンポよい演出、キャスト陣たちの好演とすべてがバッチリかみ合い、勢いを増したまま突き進んでいる。勝男と鮎美の先に待つのが元サヤ、友情、旅立ちといずれにしても、「人は完ぺきじゃなくてもいい」と応援したくなるドラマになりそうだ。

【写真】大人に響きすぎるドラマ『じゃあつく』第5話までを写真で一気に振り返る!

◆勝男の口グセ「完ぺき」は、「閉じました」と言っているようなもの

 谷口菜津子の同名コミックスを実写化した本作は、努力を惜しまずモテに全ベットしてきた結果(それはそれで生き方のひとつだと思うが)、自分らしさを見失っていたと気づいて迷走し始めた山岸鮎美(夏帆)と、「料理は女が作って当たり前」「女は、男はこうあるべき」と疑わずに生きてきた化石男の海老原勝男(竹内涼真)の別れからスタートした。

 何かというと「完ぺき」「完ぺきだ!」を繰り返してきた勝男。自分自身にも、鮎美との関係にもそれを求めるあまり、第1話で「鮎美と付き合っていた間に世界は変わっていたのか」と言っていた通りに、狭い世界の“あたりまえ”の中で生きていたことに全く気づいていなかった。つまり、勝男の「完ぺき!」は「閉じました!」と言っていたようなもの。しかしもともと父・勝(菅原大吉)の影響が大きかっただけで、根は純粋な勝男は、周囲に疑問を指摘してくれる後輩の白崎くん(前原瑞樹)や南川さん(杏花)がいてくれたこともあって、いったん器にヒビが入ってしまえば、意外にも簡単。めきめきと変化を遂げていった。

ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第1話より(C)TBSスパークル/TBS
◆「人類の、もう半分とも友達になれるって知ったからじゃない?」は名言!

 本作には名言がいくつも登場。勝男に投げかけられた言葉で特に刺さったのが、今や勝男の心の友という言うべき、マッチングアプリで知り合った柏倉椿(中条あやみ)が第3話で放ったフレーズだ。初めて女友達ができ「女友達ってなんでこんなにうれしいんだろ」とつぶやいた勝男に、椿が返す。「人類の、もう半分とも友達になれるって知ったからじゃない?」と。いや、名言! さらにそれを聞いた勝男は「男とか女とかそういうんじゃなくて、人と人同士で分かり合えていたら。……鮎美のことも、彼女としてじゃなくて、人としてもっと分かることができていたら」と考える。これってもう究極の真理では? 料理作りもさることながら、内面がすでに急速な変化を遂げている。

ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第3話より(C)TBSスパークル/TBS
 勝男の兄・鷹広(塚本高史)が登場した第5話は、勝男に怒とうの突っ込みをしていた初回からは考えられなかった、まさかの感動回になった。“ザ・海老カツ兄”な登場をした鷹広。勝男も兄は「なんでもできて、強い」と思っていた。しかし椿の「頼り方が分からなかっただけなのかも。強いと思われている人って、本当はただそういう風にしか生きられなかったのかもしれない」との言葉に、思いを巡らせていく。

 そして鷹広のためにと、みんなでとり天大作戦を成功させるため空港へ向かった車中での、白崎くんの彼女・青子さん(夏目透羽)のポリシーが心に響いた。子どもの頃、何気なく口にした言葉でおばを傷つけてしまったという青子さんは、事情を知らない子どもだったからとは流さなかった。

ドラマ『じゃあ、あんたが作ってみろよ』第5話より(C)TBSスパークル/TBS
 「私は一生、あのときの私を許せないな。だから、そんなことがもうないように。いろんな人の立場を知る努力をしたり、想像したりしたい」と。勝男にこの言葉が届いてよかったと思うと同時に、視聴者としてこの車に一緒に乗ることができてありがとうとお礼を言いたくなる瞬間だった。

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◆正直、鮎美のほうがやっかい? まずは自分の好きを自覚して

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