ティム・バートンやミシェル・ゴンドリー、映画監督の展覧会が多く催される背景

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森アーツセンターギャラリーで現在開催中の『ティム・バートンの世界』、東京都現代美術館にて開催中の『ミシェル・ゴンドリーの世界一周』。そして東京国立近代美術館フィルムセンターで開催中の『ジャック・ドゥミ 映画/音楽の魅惑』など、今、映画監督の展覧会が多く催されているが、それはなぜか。ある関係者は、「ニューヨーク近代美術館(MoMA)でのティム・バートン展が当たったから、映画監督の展覧会が増えているのではないか」と話す。
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実際に同展を主催するフジテレビに、開催の経緯を聞いたところ、「2009年の『ティム・バートン展』が動員数80万人を記録し、MoMAの歴代動員数3位に輝きました。そのときからやりたいと思っており、図録を取り寄せ交渉したものの、当時は色々な条件面で断念せざるを得ませんでした。今回、作品数を減らして新たな企画として再構成するという話が立ち上がったため交渉し、開催する運びとなりました」との答えが返ってきた。
さらに、「もともと“MoMAで開催されていたもの”を呼びたいということから始まっているので、ティム・バートン以外の映画監督で展覧会をするという選択肢はありませんでした。また、美術学校出身な彼は、常日頃から絵を描いているということで大量の作品を所有しており、ほかの映画監督と単純には比較できません。そしてもちろん、(担当者が)彼の大ファンだったことも大きいです」と、ティム・バートンへの熱き思いを語る。
世界的に名の知れた巨匠は数多く存在するが、映画監督なら誰でもいいわけではない。「ティム・バートンという映画監督の名がついた展覧会ですが、映画監督をテーマにしているわけではないからです」と、担当者は口にする。「バートン自身はアートの制作という意識はなく、あくまでも日常の一環として描いているだけで、“こんな落書きみたいなもので展覧会を作ってくれてありがとう”というスタンスなのが、ほかの展覧会と最も異なる点。だからこそ、飾らないパーソナルな部分がよくわかるようになっています」。