快進撃を続ける俳優・菅田将暉、映画製作陣が語るその魅力とは?
また、菅田を語る上で欠かせないのが、役を作っていくときのストイックさだ。顕著な例が、『海月姫』で女装をする際、10キロ以上の減量、骨盤矯正、除毛にエステ、『暗殺教室』では赤い髪を再現するために美容院に足しげく通った。そういった外見の変化に加え、内面の部分でも労を惜しまない。
「菅田さんは、どんな役柄であっても自分を合わせていくことができる方です。人間の色々な部分をしっかり観察しているのだと思います。二枚目も三枚目もできる役者さんはなかなかいません。また、自然な所作が美しく、手先足先の使い方にまで意識がいっていらっしゃいます」と前述の関係者は語る。
さらに、「菅田さんは人の心をつかむセンスをお持ちです。どんなに難しいと思われる役でも“彼になら任せられる”と信じられるだけでなく、こちらが想像していたもの以上のものを返してくれる。本当に稀有な俳優さんです。それらが一過性のものではないため、大きな人気として繋がり、製作サイドからのラブコールが絶えないのでしょう」と付け加えた。
自分への要求は高く、周囲からの期待も高いなか、菅田の現場での様子はどうなのだろうか。「いつも変わらず、決して物怖じされず、迷いがなく堂々とされています。また、勘所もよく、常に思ってもいなかったような新しいことを表現されます。周りへの気遣いも心を砕かれていて、でもそれをさりげなくされているのが、とてもかっこよいです」と非の打ちどころがない。
視聴者、観客はもとより、製作サイドからも絶大な信頼を得ている菅田将暉。その活躍は映画だけに留まらず、来年度のNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に井伊直政役で出演することも決まっている。今後、どのような俳優へと成長していくのか、益々楽しみだ。(文:安保有希子)