<18年10月期ドラマ総括>『中学聖日記』『今日から俺は!!』『大恋愛』意欲作がズラリ 視聴率よりも内容重視!?
一方で、視聴率で断トツトップを走ったのが米倉涼子主演の『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日)だ。
『リーガルV』は、弁護士資格を剥奪され、ドス黒い噂に包まれた元弁護士・小鳥遊翔子(米倉)が、“ワケありの弁護士やパラリーガル”を使って、大手弁護士事務所相手に“勝利を賭けた無謀な戦い”を繰り広げていくリーガルドラマ。平均視聴率15.6%を記録し、今期1位を獲得した。
米倉といえば、「私、失敗しないので」のキメゼリフで知られる『ドクターX』の印象が強いが、その後釜とも言えるドラマが本作だ。『ドクターX』の全話平均視聴率は第2シリーズで23.0%を記録していることから、今期1位をとった『リーガルV』でもその数字を大きく落としたとも考えられるが、そもそも視聴率のとれないこの時代に、15%を超えたのは成功ともいえる数字だ。これで『リーガルV』の続編が作られる可能性も出てきたため、次回、米倉がどの作品に出演するのかにも注目したい。
視聴率では『リーガルV』に敵わなかったものの、期待値、満足度ともに高かったのが『下町ロケット』(TBS)だ。同作は、池井戸潤・原作、阿部寛・主演でロケットエンジン用バルブシステム開発に力を注ぐ町工場の奮闘を描き、大きな話題を呼んだドラマの続編。前作は最終回の平均視聴率が22.3%を獲得し、2015年度放送の民放ドラマで平均視聴率1位を記録した。今作では、ロケット事業から農業へとテーマを変え、無人農業ロボットのエンジンとトランスミッション開発に乗り出した佃製作所の姿を描いている。追い詰められた弱い立場の町工場が、不屈の精神で大企業に立ち向かっていくという、わかりやすい構図、そして勧善懲悪なストーリー展開で幅広い層から人気を集めた。
主演・新垣結衣、脚本・野木亜紀子という『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS)タッグが話題を呼んだ『獣になれない私たち』(日本テレビ)も期待値が高かったドラマ。仕事もでき、誰からも好かれる深海晶(新垣)と世渡り上手で女にもモテる根元恒星(松田龍平)が出会ったことから、傷つきながらも自分らしく生きるようになる姿を、野木らしいリアルなエピソード満載で描いた。残念ながら視聴率はふるわなかったものの、新垣を始め、松田や田中圭、菊地凛子、黒木華という演技派による演技合戦は見応えたっぷりだった。(文:嶋田真己)
※文中視聴率は全てビデオリサーチ調べ/関東地区