平成のバラエティーで大躍進! 「バラドル」の歴史を振り返る

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平成の芸能史を語るうえで外せないのが、アイドル出身でおもにバラエティー番組で頭角を現したバラドル(バラエティーアイドル)たちの存在だ。時代の流れにつれ、求められる役割が変化しつつも、それぞれの個性やキャラクターで輝き続けた彼女たちについて振り返ってみよう。
【写真】平成のテレビ番組を彩ったバラドルたち
70年代~80年代前半の芸能界ではアイドルがお笑いやコント番組などに出演しても、台本通りに「アイドルがコントに出てがんばっている」体で演じられた。それが80年代中盤以降はタレントの生のリアクションや想定外の無茶ぶりから引き出される素の表情などが笑いを取るようになり、バラドル誕生へとつながった。同時に正統派アイドルというジャンルが低調となったことも、アイドルが活躍の場をバラエティーに移していく要因の一つとなった。
バラドルの走りといえる存在は、80年代後半、昭和の終わりごろにブレイクした山瀬まみ、井森美幸、森口博子、松本明子あたりといえるだろう。いずれもアイドル歌手としてデビュー後、歌よりバラエティー番組で重用されるようになったタレントたちだ。
アイドルの登竜門「ホリプロスカウトキャラバン」でグランプリを獲得し、86年3月に松任谷由実作曲(呉田軽穂名義)のシングル「メロンのためいき」で歌手デビューを飾った山瀬は歌唱力にも定評があったが、同年10月に『テレビ探偵団』(TBS)のレギュラー出演をきっかけにバラエティーで頭角を現した。平成元年の89年には『森田一義アワー 笑っていいとも!』(フジテレビ)のレギュラーとなる。個性を発揮して三枚目的リアクションのできるところがバラエティーとの親和性を生んだ。その後は、『ブロードキャスター』(TBS)での「お父さんのためのワイドショー講座」などの担当を経て、現在も『新婚さんいらっしゃい!』(ABC・テレビ朝日)『天才!志村どうぶつ園』『火曜サプライズ』(いずれも日本テレビ)など第一線での活躍を続けている。
山瀬と前後して井森や森口、以前から深夜番組などでの過激発言で物議を醸していた松本らもバラエティーとフィットし、バラドルの先駆け的存在となった。井森は『郁恵・井森のお料理BAN!BAN!』(フジテレビ)『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』(日本テレビ)、森口は『クイズ!年の差なんて』『夢がMORIMORI』(いずれもフジテレビ)、松本は『DAISUKI!』『進め!電波少年』(いずれも日本テレビ)などで長年にわたり活躍を見せた。