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梅雨にこそ…鬱になるSF映画 『ソイレント・グリーン』『ミスト』など5選

映画

未来に希望はない!? 鬱になるSF映画5選
未来に希望はない!? 鬱になるSF映画5選 写真提供:AFLO

 毎日、ジメジメと降り続く雨。今回は鬱々(うつうつ)としたイメージが強い梅雨の季節に、更に落ち込む鬱SFを観まくろう! という恐るべきチャレンジ企画。来るべき未来や空想の世界を描くSFは本来、夢多き展開になるが、もしも…で始まる物語に不安の種が混じれば、悪夢の果実が実る。未来への不安が鬱SFを生むのか、鬱SFに影響されて不安な未来が生まれるのか。長雨を眺めつつ、そんな問いについて考えてみるのもいいかも。

【写真】『ソイレント・グリーン』『ミスト』『ゼイリブ』ほか、鬱になるSF映画5選フォトギャラリー

■『赤ちゃんよ永遠に』(1972) 管理社会に漂う絶望的な鬱

映画『赤ちゃんよ永遠に』(1972)場面写真 写真提供:AFLO
 原題の「Z.P.G.(Zero Population Growth=人口ゼロ成長)」が示す通り、舞台は深刻な人口増加が脅威となった21世紀。環境汚染で動植物は絶滅寸前。食料不足を危惧した政府は、30年間の出産禁止令を出す。違反者は死刑だが、希望すれば精巧なロボットベビーが買える。しかし、かつての人間らしい生活に憧れる博物館職員の若夫婦は極秘で赤ん坊を出産。人目を盗んで子育てを始める。密告の恐怖と緊張を軸にした実直な語り口と硬質な絵作り、アッと驚く衝撃の結末、そして何よりも人類繁栄の象徴である出産を制限した世界に漂う絶望的な先行きの暗さ。管理社会の抑圧をテーマにしたディストピアSFは数多くあるが、この作品の鬱っぷりはダントツだ。

■『ソイレント・グリーン』(1973) 夢の合成食品に隠された鬱な真実

映画『ソイレント・グリーン』(1973)場面写真 写真提供:AFLO
 『赤ちゃんよ永遠に』と同様、70年代の傑作SFと名高い本作が描くのも、人口増加で食糧危機に陥った21世紀の悪夢。特権階級が贅沢生活を味わう一方、庶民はあばら家で雑魚寝。60歳を迎えると強制安楽死となる。食料は配給制で、命の綱は「ソイレント・グリーン」と呼ばれる合成食品だ。このビスケット状の固形食を作るソイレント社の幹部殺害事件を追う主人公の刑事は、自ら安楽死を選んだ老友の遺体が同社に運び込まれるのを目撃。「ソイレント・グリーン」の恐るべき原材料と、政府ぐるみの陰謀を知ってしまう。主人公の悲痛な名ぜりふ「ソイレント・グリーンは××だ!」は、なんと39年の歳月を経て『クラウド アトラス』(2012)が引用。SFファンを仰天させた。

■『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013) 洗練された鬱感覚でつづる女宇宙人の人間狩り

映画『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』(2013)場面写真 写真提供:AFLO
 鬱な未来予想図で問題提起した70年代SF2作品に対して、21世紀がもはや未来ではなくなった時代の鬱SFとして推したいのが本作。冬のスコットランド、次々と男を誘惑して漆黒の液体に沈め、皮一枚を残して捕食する美しい女エイリアン。宇宙人の侵略はSFの古典的題材だが、ミステリアスな人間狩りの顛末(てんまつ)を終始、低値安定型のダークトーンで描き、スタイリッシュな鬱感覚を残す。ひんやり冷たい宇宙人の肌を連想させる捕食者=スカーレット・ヨハンソンの美ぼうも出色。『ヘレディタリー/継承』(2018)から『ムーンライト』(2017)まで、話題作を連発する独立プロ、A24の初期作品としても注目だ。

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