絆を強めるバディが熱いアニメ 『啄木鳥探偵處』『ノイエ銀英伝』『富豪刑事』など5作品

シャーロック・ホームズとワトソンのように、名コンビが活躍する“バディもの”はいつの時代も人々を惹(ひ)きつける。性格や環境、考え方も違う2人が、時には憎まれ口をたたきながらも、ともに壁を乗り越えていく姿は、えも言われぬ爽快感があるもの。そんな、ステキなコンビが活躍する“バディアニメ”の魅力に注目していきたい。
【写真】衝突もあるけど絆は固い! アニメに登場するイケメンバディたち
■『啄木鳥探偵處』石川啄木&金田一京助
テレビアニメ『啄木鳥探偵處』場面写真(C)2020伊井圭・東京創元社/「啄木鳥探偵處」製作委員会
まずは“石川啄木と金田一京助”という、明治を生きた実在の人物をモデルにバディの関係を描く『啄木鳥探偵處(きつつきたんていどころ)』。第3回創元推理短編賞を受賞した『高塔奇譚』など全5編を収録した伊井圭の連作本格ミステリー小説を原作に、天才歌人の啄木と、生涯にわたり啄木を支えた相棒である京助が、奇怪な事件に挑む姿を描く。金と女にだらしないが、どこか憎めない色男の啄木と、啄木に振り回されながら事件に首を突っ込む生真面目な京助とのコントラストが鮮やかで、2人の掛け合いがなんとも心地よい。
彼らの関係のキーとなるのが、啄木の才能。1話冒頭の京助の独白は、啄木への並々ならぬリスペクトと愛が込められ、これから始まる物語が輝かしいものとなることを予感させた。啄木役の浅沼晋太郎、京助役の櫻井孝宏という同世代声優のバディ共演も期待大! 作品全体も、明治時代の雰囲気を大切に描いており、差し込む光や揺れる木々など、当時の香りや風までも感じられるような丁寧な情景描写も見どころだ。
■『銀河英雄伝説 Die Neue These』ラインハルト&キルヒアイス
テレビアニメ『銀河英雄伝説 Die Neue These』場面写真(C)田中芳樹/松竹・Production I.G
はるか未来の宇宙を舞台にした田中芳樹のSF小説を再アニメ化する『銀河英雄伝説 Die Neue These』のラインハルト・フォン・ローエングラム(宮野真守)&ジークフリード・キルヒアイス(梅原裕一郎)もナイスコンビ。銀河帝国と自由惑星同盟という2国家の抗争が続く世界で、銀河帝国軍の若き将校として活躍するのがラインハルト、彼の親友であり腹心としても補佐するのがキルヒアイスだ。
幼少期、皇帝の寵姫となったラインハルトの姉を取り戻すと誓い、銀河帝国のトップを目指しながら苦楽をともにしてきた2人を、宮野は「キルヒはもはや、ラインハルトの一部」とコメント。切り離せない関係だと分析している。壮大なストーリーのひとつの柱となる、彼らの信頼関係を堪能したい。