ヤンキーから熱血証券マンまで! 変幻自在に憑依する、役者・賀来賢人の魅力

現在大ヒット公開中の『今日から俺は!!劇場版』では80年代の金髪ヤンキーを好演、そして初回から高視聴率を記録しているドラマ『半沢直樹』(TBS系/毎週日曜21時)では堺雅人演じる半沢直樹のバディ的存在の若手証券マンに扮し物語を盛り上げている賀来賢人。近年、名実ともに人気俳優として認知された彼のキャリアと代表作を振り返りつつ、役者・賀来賢人の魅力に迫ってみたい。
【写真】回を追うごとに半沢直樹(堺雅人)とのバディ感が強まってきた森山雅弘(賀来賢人)
◆抑制の効いた演技で抜群の存在感! 新たな代表作『半沢直樹』
映画やテレビドラマ、演劇と活躍の舞台も多岐にわたる賀来のドラマ出演最新作が、7年ぶりにシリーズを再始動させた『半沢直樹』だ。東京中央銀行から子会社の東京セントラル証券に出向させられた主人公・半沢直樹(堺雅人)の下克上を、前作で確立した様式美と実力派俳優によるド迫力の熱演でつづる本作。この中で賀来は、半沢と行動を共にする東京セントラル証券の森山雅弘を演じている。
この森山というキャラクターは、東京セントラル証券の生え抜き社員。東京中央銀行から出向してきた“銀行出向組”に反感を抱いていたため、上司の半沢にも素っ気ない態度をとっていたが、IT企業の買収をめぐる東京中央銀行と東京セントラル証券の対立の渦中に身を投じ、半沢と共に奔走することに。
主演の堺雅人を始め、香川照之や市川猿之助らが火花を散らすように濃厚な芝居を見せる中で、森山役の賀来は抑制の効いた演技を披露。あえてクールさを保つことで大仰になりがちなドラマの世界観に絶妙なリアリティを与えている。
『半沢直樹』での賀来は、近年の活躍で見せたハイテンションかつコミカルな演技を封印し、抑えた芝居で存在感を発揮している。そんな彼の佇まいから感じられるのは俳優としての成熟。『半沢直樹』は30代を迎えたばかりの彼の新たな代表作となるだろう。