危険すぎる“ボンドガール”から218cmの殺し屋まで! 007を苦しめた“クセが強い悪役”たち
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■ 不死身の殺し屋から“愛されキャラ”へ変身 ジョーズ
『私を愛したスパイ』『ムーンレイカー』に登場するジョーズ 写真提供:AFLO
ロジャー・ムーアが演じた3代目ボンドの敵キャラクターとして多くのファンの記憶に残っているのは殺し屋・ジョーズだ。『私を愛したスパイ』(1977)、『ムーンレイカー』(1979)の2作連続で登場した。
ジョーズといえば、なんと言っても演じるリチャード・キールの身長218cmという巨体のインパクト。ムーア演じるボンドも見上げるばかりだ。その長い手足でそのまま暴れまわってもかなり手強そうだが、ジョーズ最大の武器は鋼鉄の歯。ロープウェイの太いワイヤーさえかみ切る歯でターゲットに襲いかかる。
頑丈さでもボンドを苦しめた。高速で走る列車から突き落としても、スカイダイビングで落下しても、ジョーズはピンピンしている。『私を愛したスパイ』ではクライマックスで凶暴な人食いザメの水槽に落ちてしまうが、逆にサメをかみ殺して生き永らえる。
ジョーズは続く『ムーンレイカー』でも依然としてボンドをつけ狙う殺し屋として登場するも、コメディ・リリーフ的な立場になり、巨体ながら愛らしい側面も出てくる。ボンドを追う最中には、なぜか金髪の美女ドリー(ブランシュ・ラヴェレック)と出会い、意気投合。行動を共にすることに。
最終的には改心し、ボンドと宇宙ステーションで共闘。ドリーと共に無事地球に戻れた模様だ。
■ セクシーで危険な“ボンドガール” ゼニア・オナトップ
『ゴールデンアイ』に登場するゼニア・オナトップ 写真提供:AFLO
5代目ボンド、ピアース・ブロスナンの1作目となる『ゴールデンアイ』(1995)に登場したのが、オランダ出身の女優ファムケ・ヤンセンが演じたゼニア・オナトップ。
赤いスポーツカーでボンドの車を抜き去る、という鮮やかな登場をしてみせるゼニア。ボンドと視線を絡ませる姿は、劇中で彼とラブシーンを繰り広げることがお約束になっている“ボンドガール”であることを予感させるが、その正体は犯罪組織「ヤヌス」の手先だった。
ターゲットの男とのベッドシーンでは、肉食獣のようにワイルドに襲いかかり、太ももで相手の胴体を締め上げそのまま殺してしまう。銃を持てば、民間人をもためらいなく蜂の巣にする殺人マシーンに変ぼう。銃を乱射している際に浮かべるうっとりとした表情が、彼女のサイコな一面を象徴する。この“ボンドガール”は危険…!
最期はあっけなかったが、モデル出身という身長182cmの抜群のスタイルでSっ気たっぷりなゼニアを完ペキに演じきったファムケは、その後アメコミ映画『X‐メン』シリーズでジーン・グレイを長きにわたって演じることになる。
■ 最新作の悪役はフレディー・マーキュリーを演じたオスカー俳優
来月1日公開の『ノー・タイム・トゥ・ダイ』では、『ボヘミアン・ラプソディ』(2018)でアカデミー賞主演男優賞を受賞したラミ・マレックが悪役に抜てきされた。彼が演じるサフィンについては依然謎に包まれているが、不気味な能面と不敵な笑みが、ボンドの強敵となる期待感を抱かせる。彼は何者で、いったいどのようにボンドと対峙するのだろうか?(文:前田祐介)
映画『007 スペクター』は、テレビ朝日系にて9月26日21時放送。
最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は、10月1日公開。