仲直りしてほしい! 世界の“おぼん・こぼん”事件簿
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★『何がジェーンに起ったか?』ベティ・デイヴィス VS ジョーン・クロフォード
ハリウッド史上でも伝説級の不仲で、結局仲たがいしたままに終わったのが、映画『何がジェーンに起ったか?』(1962)で共演した往年のオスカー女優、ベティ・デイヴィスとジョーン・クロフォードだ。2人の確執は、当事者も逸話もまさにレジェンド級。『フュード/確執 ベティvsジョーン』(2017)としてドラマにもなった。
そのきっかけは、俳優フランチョット・トーンを巡る三角関係だったと言われている。しかしそれ以上に、女優がスタジオ専属で、限られた役しか与えられなかった時代に、演技派のベティとセクシー系ジョーンはお互い煙たい存在だった。話題性を狙うスタジオの煽りもあったようだ。
『何がジェーンに起ったか?』で因縁女優が初共演(左から)ベティ・デイヴィス、ジョーン・クロフォード
数ある逸話の中でも強烈なのが、『何がジェーンに起ったか?』での共演だ。因縁の大女優の初共演作は、事故で半身不随になった女優の姉と、彼女を介護する落ちぶれた元人気子役の妹との、歪みきった関係を描く狂気のスリラー。作品自体が衝撃的なうえ、撮影中2人がヒートアップし、お互いをケガさせる事態に。
さらに、本作でベティがオスカー候補になると、嫉妬したジョーンは会員に投票しないよう呼び掛けるキャンペーンを行ったという。さらに、当日出席できない候補者の代わりに賞を受け取ることを立候補。ベティを退け主演女優賞を受賞したアン・バンクロフトの代わりにステージに立ち、満面の笑みで彼女を称えたという。
2人の因縁は生涯に渡り、ジョーンの訃報を聞いたベティは「亡くなった人を悪く言ったらいけないわ、良いことだけ言わなくちゃ…ジョーン・クロフォードが死んだ。良い事ね」とコメントしたそうだ。
大女優2人の確執と比べると、他の不和など子どものケンカのようにかわいく見えてくる。おぼん・こぼんの2人のように、和解する日も来るかもしれない。(文・寺井多恵)