山田裕貴の2021年を振り返る ドラケンから志村けんさん役まで演じ、さらなる高みへ
『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』では聴覚障がいのあるスキージャンパーに挑戦し、『燃えよ剣』では将軍・徳川慶喜を風格たっぷりに演じた山田。実在の人物をベースにしたキャラクターを演じてきた経験は、視聴者の記憶に鮮明に焼き付いているという点で難易度が段違いに上がった『志村けんとドリフの大爆笑物語』でも発揮されることだろう。
加えて、『あゝ、荒野』では狂気のボクサー役を演じ、菅田将暉と鬼気迫る死闘を繰り広げれば、『万引き家族』ではDVを振るう父親の闇を見せ切った山田。いわゆるメジャーな娯楽大作だけでなく、社会的メッセージを内包した作家主義的な作品で重要な役どころを任されるところも、彼の大きな強み。今後さらに年齢を重ね、このゾーンの開拓もより進んでいくのではないか。
イメージの定着は演者にとっては諸刃の剣ともいえ、認知度の向上につながる一方、観客や視聴者にまっさらな状態で演技を受け取ってもらえなくなる可能性をはらんでいる。逆に言えば、それを「気にしなくていい」高みにまで到達できれば、最強だ。そして山田には「行けるとこまでいく」という気概と可能性が満ち溢れている。
2022年には、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合/2022年春より毎週月曜~土曜8時ほか)、『ヤクザと家族 The Family』や『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)の藤井道人監督作『余命10年』(2022年3月4日公開予定)、安田顕と共演した『ハザードランプ』(2022年4月15日公開予定)などなど、それぞれにジャンルの異なる作品が控えている山田裕貴。来年もまた、我々に大いなる期待を抱かせてくれるに違いない。(文:SYO)
ドラマ『志村けんとドリフの大爆笑物語』は、フジテレビ系にて、27日21時放送。